泡をたたき割る人魚は

著者 :
  • 講談社 (2012年7月6日発売)
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本棚登録 : 167
感想 : 30

水槽のなかには呑まれ溢れて自分をなくした女がいる。自由のために脚をすてた人間が罰をうけて閉じこめられている。
月が太陽に、水が火に焦がれるように、反対の物に吸い寄せられる。欠けてゆくものは完全な円になりたい。陸から海にもどりたい。けれども、そこはほんとうに楽園か。感情や関係性に名前を与えると、お互いを縛り合うことになる。所有されるのを拒む女は境目をたゆたい、越えようとした。
そんなことうまくいくわけがない。境目とは裂け目のことだから。落ちた深淵は孤独という地獄。引き裂かれてすべてを失う前に、一つを選ばなければ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本
感想投稿日 : 2021年4月6日
読了日 : 2021年4月5日
本棚登録日 : 2021年4月6日

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