完璧な病室 (中公文庫)

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本棚登録 : 1784
レビュー : 168
著者 :
月湖さん 日本   読み終わった 

春が巡ってきてしまった。
本書を再び開いたわたしは完璧な病室を持っていたし、それを失うかなしみも痛いほど知っている。
食や生の匂いに満たされた生活の場である現実への嫌悪。音も匂いも時間もない非現実への憧れ。現実はあまりにも単調で代わり映えもなく淡々と過ぎていき、そして積み重ねられた日々の重さはときに耐えられないほど息苦しい。完璧な病室を設えたときから、遅かれ早かれ必ず壊れることを予感していた。二度と戻ってこないとはわかっているけれど、春の雨がやさしくて、記憶のなかの繊細な言葉に帰っていきたくなったのです。

レビュー投稿日
2019年3月10日
読了日
2019年3月7日
本棚登録日
2019年3月10日
3
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