カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)

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本棚登録 : 1862
レビュー : 235
制作 : 山田 蘭 
えりさん 文芸書   読み終わった 

「カササギ殺人事件」はあくまで作中作。
それを忘れる程に上巻のあの雰囲気に没頭していた者程、下巻を開いた途端にスーザンと同じ憤りを感じる羽目になる。
消えたミステリの結末、転落死した作家、間に合わなかった遺書の書き換え、作中作のモデル達、伏せられていた過去の関係、そして隠された暗号。
時代を現代に移し、新しい謎を振りまきながら下巻は全く別の展開を見せ初める。

古典ミステリの良さを存分に出しながら、下巻の展開と明かされた秘密はある意味とても現代的。
アラン・コンウェイの破天荒な性格が判明しても尚「カササギ殺人事件」は面白いし、それだけでシリーズ物として成立するだろうに、これを一冊限りのトリックとして作中作に丸ごと使ってしまう甘美な贅沢さ。
まさしくミステリファンへのプレゼントだった。
訳で読んでいる以上アナグラムはどうしようもない。けれど暗号に関しては訳者さんに心から拍手。

レビュー投稿日
2018年11月17日
読了日
2018年11月15日
本棚登録日
2018年11月15日
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