ヴィクトル・ユーゴーの小説を原作とした傑作ミュージカルを完全映画化。
1815年、パンを盗んだ罪で19年間服役後仮釈放されたジャン・バルジャンは行く先々で冷たい仕打ちを受けるが、迷い込んだ教会の司教は彼を暖かく迎え入れる。人間不信に陥っていた彼は銀食器を盗んで逃げ出すが憲兵に逮捕される。そんな彼を司教は「これは私が彼に与えたものだ」とかばい、司教の言葉に心打たれた彼は心を入れ替え、全く新しい人間として善き行いをすると心に誓う。
8年後彼は名前をマドレーヌと変え、ある町の市長であり工場長となっていた。彼の工場ではフォンテーヌというシングルマザーが働いていたが、風紀を乱すとして解雇された。フォンテーヌは一人娘コゼットのため身を売りお金を作るが、無理がたたって病死する。ジャン・バルジャンは贖罪のためコゼットを引き取り幸せにすると誓う。そんな中ジャベールという警官から赤の他人がジャン・バルジャンとして逮捕されたときいた彼は、自らが本当のジャン・バルジャンだと名乗り出、コゼットを連れて修道院に身を隠す。
9年後、ジャン・バルジャンを父として美しい娘に成長したコゼットは革命運動に身を投じる名家の青年マリウスと恋に落ちる。ジャベールの脅威を再び感じたジャン・バルジャンは革命の機運が高まるパリを離れ、イギリスに逃げるとコゼットに告げる。
1932年6月に起こった6月暴動をクライマックスとしフランス激動の時代を生き抜いた一人の囚人の人生を描いたミュージカル。話は暗く重いが、心を奪われるような魅力的なミュージカルナンバーが多数。「夢やぶれて」「Stars」「On my own」など名曲をあげたらきりがないが、「民衆の歌」はやはり別格。最後は涙がとまらない。
- 感想投稿日 : 2022年3月8日
- 読了日 : 2022年3月6日
- 本棚登録日 : 2022年3月6日
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