私でない私 (新潮文庫 フ 31-1)

  • 新潮社 (1994年3月1日発売)
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原題:Mirror Image
ヒロイン:エイブリー・ダニエルズ
ヒーロー:テート・ラトレッジ

飛行機事故で九死に一生で生き残ったエイブリーだったけど、顔を火傷でうしない、他人と間違えられて入院することになる。上院議員候補の妻のキャロルと思われてしまい、それを訂正することもできない身体の状態で勝手にキャロルの顔に整形させられてしまう。

↑ここまでは、エイブリーに同情しました。せっかく助かったのに、美人とは言え、他人の顔にされてしまうなんて、と。
しかし、エイブリー・・・スキャンダルやテートの殺人計画が水面下にあると知った瞬間から、キャロルを演じることを決心した彼女。リポーターとしての血が騒いだのは理解できるけどねぇ、ちょっといいとこどりばかりじゃないの?

キャロルは相当だらしない生活をしていたらしく、それにたいして、愛し始めてしまったテートから罵られるシーンが何度か出てくるが、エイブリーは「私がやったのではないのに・・・」とか「それは私ではないのに・・・」とか言って悲しんでいる。しかし!そんなキャロルに成り代わろうと決心したんだから、いちいち「私じゃないのにぃ」と思うエイブリーに、腹が立った。

それに、テート!整形で顔が一緒になっているからって、夜をともに過ごしても、別人だってことに気が付かないなんてことあるの???!!!それが不思議・・・。いやいや、殿方というものは、気が付かないものなのかなぁ?そんなことないでしょ~(苦笑)。

今まで読んだ十数冊のサンドラの本の中で一番ページ数があるものだった。この作品よりもページ数がある作品もまだまだあるけど、今の時点では私の中でこれが一番厚い。だから、登場人物もそれなりに人数出てきたが、それぞれ個性がしっかりと描かれていたので、作品に深味があり、とても充実感があった。サンドラのこの作品を読んで、サンドラのすばらしさが増した。サンドラの長編をもっと読みたくなった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サンドラ・ブラウン
感想投稿日 : 2013年10月20日
読了日 : 2013年10月10日
本棚登録日 : 2013年10月10日

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