魯迅評論集 (岩波文庫 赤 25-8)

  • 岩波書店 (1981年9月16日発売)
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「古人は、書を読まなければ愚人になる、といった。それはむろん正しい。しかし、その愚人によってこそ世界は造られているので、賢人は絶対に世界を支えることはできない」というフレーズを知り古本を探し出して購入。 
世界の大多数を占める愚民の前では賢人は無力、という意味と思ってたが、読んだら全然違った。古典を読むような賢人は世界を変えられない、古典を読まず古い思想から解き放たれた愚人こそが世界を変えられる、という逆の意味だった。中国の1920年代、革命時代の言葉。やっぱ切り抜きは気を付けないと。 
古典はいかんと言いつつ締めに、三国志の曹操ですら葬式の簡素化を命じながら遺物に執着したという古文を引用することで、曹操も免れられなかったし、魯迅自身も免れられないことを自虐的に表現するのが魯迅らしい。
 
全17篇の評論で上記の「『墓』の後に記す」の他におもしろかったのは、
「ノラは家出してからどうなったか」
「革命時代の文学」
「魏晋の気風および文章と薬および酒の関係」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年9月29日
読了日 : 2024年9月23日
本棚登録日 : 2024年9月17日

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