真鶴 (文春文庫)

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本棚登録 : 1568
レビュー : 182
著者 :
emiruxxxさん  未設定  読み終わった 

読んでいるあいだ、ずっと気持ちよかったです。
冬の曇天のようなくすんだ景色で、遠くのほうは全部まじってぼんやりしているけれど、吸い込む空気だけは、清潔に澄んでいる感じ。

夫が失踪し、思春期の娘と老いていく母との三人で暮らす女性が主人公で、お話の起承転結もちゃんとあるんですが、それより何より、夢幻と現との行き来、というより、その境界がなくなってしまったような、不安定な心持ちや、言葉の選び方、ひらがなの柔らかさ、ぽつりぽつりと繋がる文章、そういったもの全てが、とても気持ちよかったです。
(が、こういう文章は、苦手な人も多いだろうな、とも思います。)

ついてくるもの、離れていってしまう人、変わっていくこと。

リアリティのあるお話ではないはずなのに、どうしてこんなに強く心に迫って来るのだろうかと、不思議な気持ちになりました。
頭で考える、のではなくて、心で感じる作品かなぁと思います。

レビュー投稿日
2012年8月7日
読了日
2012年8月4日
本棚登録日
2012年8月5日
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『真鶴 (文春文庫)』のレビューへのコメント

猫丸(nyancomaru)さん (2013年8月21日)

「心で感じる作品かなぁと思います。」
フと考えると判らなくなりますよね。
川上弘美の話って、何だか閉じられた世界なようで、違う世界が混じり込んでいるようなところもあって、読むと現実から離れられるので好きです。。。

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