宵山万華鏡 (集英社文庫)

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本棚登録 : 5625
レビュー : 534
著者 :
endericoさん 小説(日本)   読み終わった 

すっかりはまった森見登美彦作品。読むのは5冊目。
京都祇園祭、宵山の夜を舞台にした6作の連作短編集。

頭から宵山姉妹、宵山金魚と読んで「何だか今回のは期待ほど面白くないなぁ」と思っていたら、そこから一気に加速。
まるで魔法にかけられたみたいにグイグイと引き込まれる。
特に宵山金魚の宵山様への道の描写が何だか冗長だなと思っていたが、それをドタバタと作り上げる過程を披露する宵山劇場、不思議な舞妓と大坊主に連れられトレースする宵山万華鏡を読んですごいと思った。
一度読んだ場面が後から後から別の角度で語られ、その度に場面を読み返して感心した。

宵山劇場の高藪さんの登場ににやりとしたりして楽しんでいたら、宵山回廊と宵山迷宮では背筋がヒヤリとする恐怖を味わわされる。繰り返す宵山、15年前に消えた娘、世界の万華鏡。
同じ日が繰り返す系は度々書かれた設定だと思うけど、連作短編で2作やるのはすごいと思った。そしてどちらもタイトルが内容にぴったりマッチしていて秀逸。迷宮は抜けられるけど、回廊は…。

始めの宵山姉妹の姉のほうが出てきて、全てが収束する宵山万華鏡。宵山様はやっぱり寂しいのかな。そこを考えると少し切ない。
最後の妹の言葉は、はじめは意味が分からなかったけれど、最後に読むととても意味深。

何度でも読みたくなる、大満足の一冊でした。

レビュー投稿日
2012年10月4日
読了日
2013年11月1日
本棚登録日
2012年10月4日
2
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