銀座4丁目ではじまって銀座4丁目で終わるのがオシャレだなあ。
不謹慎と一括りにしていいかわからないけど、主人公がクソヤンキーの集団を撃ち殺していくシーンに胸がスカッとする。
「人類にはたして人間らしさというものがあったときがあったのかわからない」。薄氷の上のヒューマニズム。その中で、日常では退廃と狂気の人でしかなかった野依のような人物の芯の強さが見えるのが胸熱。
主人公のようにハードボイルドに、野依のように潔白に終わりを迎えたいと思いつつ、結局は亀の井のよう自意識の中で死んでいくことになるのかもしれないという恐怖とどろっとした諦念。
「人間らしい」とはどのような状態か?
人を押し除けて助かろうとする浅ましさもあるいは人間らしさなのかもしれない。
でも自分はやはり、薄氷の上であることを理解しつつも、理性的な個人的信仰と倒錯を貫いて死んでいきたい。愛とか、人情とかそういうものの中で。
作中で紹介されてたネヴィルシュートの渚へも気になる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年4月8日
- 読了日 : 2024年4月1日
- 本棚登録日 : 2024年4月8日
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