薔薇の渇き (新潮文庫 ス 5-2)

  • 新潮社 (2003年8月1日発売)
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本棚登録 : 37
感想 : 10
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古代から現代まで、人間と共に歩んできたヴァンパイア・ミリアムの話です。ミリアムは、人間を『転換』させることで、永遠に似た命を与え自分のパートナーとしますが、パートナーには必ず酷い末路が訪れ、そのたびに新たなパートナーを探していきます。この作品に特徴的なのは、ミリアムの血液を解析し、不老不死の謎を科学で解き明かそうとする試みがたくさん書かれること。確かにヴァンパイア小説の新たな地平という感じはします。
また、登場人物の感情を細かく描いているのですが、それぞれが矛盾を抱え、エゴイスティックに関わりあいながらも愛情と切なさも感じる、「人間は分からない」ことを筆を尽くして語ってくれている印象があり結構好きでした。
ただ、私はラスト結構へこみました……。想像すると、殺されるより酷い気がして。続編があるらしいですが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2010年8月27日
読了日 : 2010年8月22日
本棚登録日 : 2010年8月27日

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