クリスマスのおくりもの (講談社の翻訳絵本)

  • 講談社 (1978年11月13日発売)
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感想 : 2
5

この本は、私が4~5歳ころから持っていて、おそらくクリスマスプレゼントされたのだと思う。

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ある男の子が、イエスさまご誕生のしるしの星を見て、自分の宝物を持って誕生のお祝いに出かける。その道中に出会う人たちに、やさしい男の子は宝物を一つずつあげていく。

最後は神さまにあげるはずだった宝物は何もなくなり、身ひとつになったが、イエスさまに会うことができ、男の子は祝福される。

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カトリック系の幼稚園に通っていた私は幼いころから、聖書の絵本などを見ていたので、この話も何の違和感もなく、普通の絵本として受け入れて何度も読んでいた。

特に、男の子がペットの犬を、身体の不自由な子にあげて、さみしいので泣きながら一人で歩いていた場面はよく覚えている。さみしくても神さまに会うために歩き続けていた。

大人になって、改めて読んでみると、宗教色が濃い絵本としてとらえられるのかもしれないと思ったが、テーマがクリスマスなので日本でも出版されたのだろう。

また、自分の宝物を、かわいそうと感じた人を元気づけるために、彼らに恵んでいくという男の子の行為は、少なからず私の心にずっと残っていることが蘇った。絵のイメージとともに。

幼稚園時代、シスターがよく絵本の読み聞かせをしてくれた。それは、聖書をもとにした絵本だったように記憶している。私たちは、ただの愉快な話を聞きたいと思っていたわけではない。楽しい話を聞きたいと思っていたわけではない。神さまの話を聞きたいと思って、耳をすましていた。幼い私たちにとって、私たちが生きているこの世界はあまりにも未知のものであった。

物語をとおして、たくさんのことをできるだけ知りたかった。たとえ幼稚園児であっても、どのようにして生きていくか、ということをとても知りたかったに違いないと今となって、改めて思う。だから、神さまの話にいつも耳をすませていた。

なぜなら、神さまは、いいことはいい、悪いことは悪い、ときちんと教えてくれるから。

聖書の絵本なので、難解な話もおそらくあったと思う。でも、私の経験上、大人が不思議だと感じる話を子どもは、わりとすんなり受け入れることができる。

たとえば、おぼろげに覚えている話だが、ある女性が壺に水(油?)がなくなって大変困っていた。そこにイエスさまが現れ、その壺と、他の多くの壺までをも水(油)で満たしてくれた。それは、奇跡をおこしてくれたという話。

大人が読むと、「そんなことあるはずがない」で終わってしまうかもしれない。しかし、子どもは、そんなことがある・ないというようには考えない。その物語そのままを受け入れるのである。大人になって、その話には多くの解釈があることを知るが、子どもの頃にもおそらくそのことは感じていたのであろう。だから、受け入れたのだろう。

この絵本の話に戻るが、タイトルは「クリスマスのおくりもの」。

自分の大切にしているものを、私は、人に差し出すことができるだろうか。

思い入れのある宝物ほど、難しい。

しかし、差し出せば、空ではなく満つる結果になるのだろう。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2010年5月24日
本棚登録日 : 2010年5月24日

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