もっと知りたい バーン=ジョーンズ 生涯と作品

  • 東京美術 (2012年6月1日発売)
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感想 : 7
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失礼ながら、バーン=ジョーンズは青白い無表情の女性を描く画家、というイメージがあった。しかし実際は、表情、色合い、タッチなどのバリエーションが豊かで、すっかり惹きこまれてしまった。

以下、お気に入りの作品。

「黄金の階段」…一見すると連続写真の趣があるが、画面から音楽的なリズムが流れてくるようで衝撃を受けた。目を離した隙に少女が動きそうで、目が離せなくなる。

「運命の車輪」…青銅色の女神と、セピア色の人間だけで構成される、色味を抑えた画面ながら、こってりとした塗り方と王の姿態の美しさが印象的。
まったく同じ理由で、「果たされた運命」も好きだ。

「いばら姫」…あどけなく幸せそうに眠るいばら姫に、愛娘への愛情が感じられる。あたたかい作品。

「ラウス・ウェネリス」…赤・青・白の対比。色調の美しさで言えば、この作品が一番。

「シンデレラ」…宴の後のシンデレラを描くなんて面白い。背景の藍色の陶磁器が、彼女が着ていただろう美しいドレスを思い起こさせるよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 芸術
感想投稿日 : 2017年9月11日
読了日 : 2017年9月11日
本棚登録日 : 2017年9月11日

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