失礼ながら、バーン=ジョーンズは青白い無表情の女性を描く画家、というイメージがあった。しかし実際は、表情、色合い、タッチなどのバリエーションが豊かで、すっかり惹きこまれてしまった。
以下、お気に入りの作品。
「黄金の階段」…一見すると連続写真の趣があるが、画面から音楽的なリズムが流れてくるようで衝撃を受けた。目を離した隙に少女が動きそうで、目が離せなくなる。
「運命の車輪」…青銅色の女神と、セピア色の人間だけで構成される、色味を抑えた画面ながら、こってりとした塗り方と王の姿態の美しさが印象的。
まったく同じ理由で、「果たされた運命」も好きだ。
「いばら姫」…あどけなく幸せそうに眠るいばら姫に、愛娘への愛情が感じられる。あたたかい作品。
「ラウス・ウェネリス」…赤・青・白の対比。色調の美しさで言えば、この作品が一番。
「シンデレラ」…宴の後のシンデレラを描くなんて面白い。背景の藍色の陶磁器が、彼女が着ていただろう美しいドレスを思い起こさせるよう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
芸術
- 感想投稿日 : 2017年9月11日
- 読了日 : 2017年9月11日
- 本棚登録日 : 2017年9月11日
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