アンの娘リラ (講談社文庫―完訳クラシック赤毛のアン 8)

  • 講談社 (2005年11月15日発売)
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感想 : 9
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アンの子どもたちは成長し、末娘のリラだけを残してグレンの村を離れ、進学することになった。しかし、世界大戦が始まり、<炉辺荘>と牧師館の「男の子」たちは、ヨーロッパ西部戦線へつぎつぎに出征していく。リラの日記とともに、母親と少女たちの止むことのない不安と悲しみが綴られる。

今までの温かく時に笑いながら読んできたアンシリーズとは一線を画す、戦争という大きな波に否応なく呑み込まれ、戦い傷つきながらも前を向いて生きる一家の姿が描かれます。リラの日記を通して見える世界はこの年頃の明るく華やかなものからは遠く、ほんの一瞬そのようなかけらが見えてもすぐに恐怖と悲しみが塗りつぶしてしまうような、悲しいものです。いかに平和が恵まれているのか、彼女の目を通して無知な私たちも知ることができるでしょう。ウォールターの死の前に書かれた手紙には涙が止まりませんでした。彼が苦しまなかったことだけが救いです。ジェムが帰ってきて、他にも無事な人が多くて良かったけれど、子供たちの中で彼が最も好きだったので、物語なのに胸がえぐられるように痛む。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外小説
感想投稿日 : 2016年9月25日
読了日 : 2016年9月25日
本棚登録日 : 2016年9月25日

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