ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。
ルソーの「夢をみた」は真作か、贋作か。壮大すぎるテーマを元に真実を探すティムと織絵。その裏には次々と思惑を持った人々が絡み、いったいどうなるんだろうとわくわくしながら読みました。印象派は好きでよく美術館にも足を運ぶ方でしたが、こんなに熱を持って語られたらルソーの魅力を感じなかった自分が残念な人に思えてきた(笑)し、ミステリとしても面白い。結末はわりと衝撃でしたが納得もできた。ルソーという画家への愛をもった二人がこれから先も絵に寄り添って幸せな道を歩むことを感じさせる終わり方で、幸せな気持ちで読み終えました。表紙を見つめて、しばし恍惚。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
国内小説
- 感想投稿日 : 2015年7月25日
- 読了日 : 2015年7月25日
- 本棚登録日 : 2015年7月25日
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