金星特急 (7) (ウィングス文庫)

著者 :
  • 新書館 (2012年12月8日発売)
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感想 : 21
5

『金星、君に会いたい』生放送で全世界に呼びかけ、金星特急をグラナダへ呼び寄せた錆丸。スペイン内戦は止まるものの、一行はイェニツェリの追跡を躱しながら列車の到着を待たなくてはならなくなる。グラナダを出れば、次はおそらく終着駅、この世に戻ることはない。覚悟を決め残された時間を精一杯生きぬこうとする花婿候補達と、それを助けたい錆丸。彼らの旅の終わりに待つものとは?そして錆丸と金星の世紀の大恋愛の行方は?

泣いた。こんなに紛争だらけで主要人物が傭兵とかいう殺伐とした世界なのに、なんでこの話こんなにあったかいの。じわりじわりと視界が滲むかと思えば泣き笑いしつつページ捲ったり。とても忙しかったです。錆丸たちと一緒に世界中旅した気分だよ。嬉野先生、金星特急書いてくれて本当にありがとうございます。この作品と出会えてすごく嬉しい。もう語りたいことが多すぎるんだけど、とりあえず。
砂鉄とユースタス。悩んでた彼女が彼に対して、自分の気持ちがぶれないことに気づいて強くなったところはもう・・・砂鉄が嬉しいって言葉にするのってすごく珍しい気がする。残り時間が少ないからこそ、大切な人とともにいて満たされる、そんな二人にもうどうしようもなく嬉しくて泣いた。どんな未来でも、この二人は変わらずお互いを好きっていうことに純粋に喜びを感じて幸せなんだろうなと。ユースタスが樹に変わりそうになる瞬間の砂鉄の行動でもそれが示されて、二人でいることの意味がずしりと胸に。彗星には悪いけど、でも好きな人の幸せを祈れる子でほっとしてもいる。違う世界で幸せになっていますように・・・。
金星の正体は最後まで予想外の展開だったけど、伊織と錆丸の過去は薄々勘づいてたのでそこまで驚きはなく。ユースタスの過去も6巻で分かったので、最後にアルベルトが命を賭して解明した事実で一番びっくりでした。ふえええやっぱり神だったんすか金星さん。許されない恋ってあたりからして伏線続いてたんだね。錆丸が周りの人を救う判断してホントに安心してます。最初から最後までキーマンだったな、錆丸。巻を重ねるごとにイケメンになる彼に敬礼。きっとこれから穏やかに暮らしていけると思うと、良かったねと一言言いたい。お疲れ様、ついでとはいえ人類を救ってくれてありがとう。
さて、最終巻にして初めて三月を好きになりました(笑)それまで何とも思ってなかったのにいざ死にそうってシーンで突然嫌だと思った。夏草ちゃんを一人にしちゃだめ、せっかくできた錆丸のお兄ちゃんいなくなっちゃだめだよって。死んでほしくないとあんなに切実になった人物は意外としぶとさを見せつけてきましたが、相変わらず夏草と組んでるんだと思うとほっとするわニヤニヤが止まらないわ。好きです、錆丸救ってくれてありがと。
正直上手くおさまりすぎじゃないかと思うところもなくはないけど、それを含めても満足のいく終わり方でしたし、何よりシリーズずっと追っかけてきてこんなに感情移入できたの久しぶりで、すごく良かったところばっかり浮かぶので最高の作品だと言えます。外伝・画集にも期待。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内小説
感想投稿日 : 2013年1月7日
読了日 : 2013年1月6日
本棚登録日 : 2013年1月6日

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