きみはだれかのどうでもいい人

著者 :
  • 小学館 (2019年9月18日発売)
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感想 : 116
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嫌いだと言われるのと、どうでもいいと思われるのは、どちらの方が傷つくのだろうかと考える。
例えばこの小説によく出てくる、たまたま同じ職場で働いているだけの名前すら与えられなかった女たちの無責任な世間話の中で。

途中で何度も、いやな話だなぁと思ってるくせに何故読み続けているのか分からなくなった。図書館で数ヶ月も予約待ちして、ようやく借りることができたからなのだろうか。


どんな人にでも、わたしに見せている以外の別の顔を持ち、違う世界で生きているのだ。思わず自分の職場をぐるりと見渡してしまう。

あの人はやることが遅いから、仕事量が少なくていいな。
やることも大してないくせに、テレワークとかってどうせ遊んでるんじゃないの?
言いたいことをズケズケ言えるのって羨ましい。他人からどう思われるかなんて全然気にならないんだろう。

そうやって自分が損をしていると思ったり、誰かに比べたらまだマシだと思い直したり、明日からは二度と苛々しないようにと誓ったり、
こんな最低最悪のわたしと同じようなことを、ここにいる他の人も考えたりするのだろうか。


いやだいやだ。
読むんじゃなかった。
ひとつの出来事も、人の見方や捉え方によって、全く違う意味を持つ。
多面体の物質が、当たる光の角度によってその見え方で形を変えるように。
この世の中のほとんどの人間の存在は、本人以外にとってはどうでもいい存在であると同時に、誰かにとっては大切な人かもしれない。
混み合う駅の改札付近、女性や弱者のみを狙ってわざと体当たりしてくるおじさんも、家に帰れば誰かの夫であり父親なのに違いない。
でも。。。
だからなんなのだ。

みたいな気持ちになった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年8月18日
読了日 : 2020年8月18日
本棚登録日 : 2020年1月11日

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