寝ずの番 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
3.47
  • (11)
  • (15)
  • (35)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 183
感想 : 33
5

葬式が好きだ。とか言うと語弊があるかもしれないが、私個人の率直な感想として、盛大な結婚式よりも盛大な葬式の方が5000倍くらい心を動かされる、ということ。結婚式挙げて離婚する人はいるけど、葬式挙げて生き返る人はいないから。

通夜葬式が終わるまで仏前の線香とろうそくを絶やさないように番をする「寝ずの番」。
私も親戚に不幸があると必ず自ら志願して(貫徹に耐える体力があるから)遺体と祭壇の前に陣取ったものだが、本書のような馬鹿馬鹿しくも温かい夜は当然ながら未だ体験したことがない。

「故人を偲ぶ」という思いが根底にちゃんとあるなら、酒盛りでもカンカン踊りでも春歌合戦でも何でもありなんじゃないか、と思ってしまった。むしろそんな風に泣いたり笑ったり思い出したりしてくれるなら、こっちも死んだ甲斐があるってもんだ。
いやいや、とりあえず今は、そんな通夜の夜にしてもらえるように生きることだ。

マキノ雅彦監督の映画製作秘話(?)が冗長。
らも兄を偲ぶ、編集者・小堀純氏の解説が泣けた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ├ 中島らも
感想投稿日 : 2012年8月8日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年8月8日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする