『オフシーズン』でハイテンションな殺し合いを、『隣の家の少女』で陰惨な虐待をコッテリと読まされてからの『地下室の箱』。正直、全然物足りなかったです。慣れって恐ろしい。
不倫の末の妊娠。中絶せねば。本当は産みたいけど。いやしかし。でもやっぱり。
とか何とか主人公とその愛人との間でグズグズしてた矢先に、突然の拉致・監禁。
頭のおかしなカップルに閉じ込められて、このままじゃお腹の中の赤ちゃん大きくなっちゃうよー!しかも訳の解らない屋根裏部屋みたいな所で産まされちゃうよー!死んじゃうよー!
死にたくないからスゲー頑張って脱出。無事に保護されて赤ちゃん産みました。あと、愛人ともフツーにラブラブします。ネコも一緒です。おわり。
……なんだそりゃ?
いきなりの臨月ワープにもびっくりしましたが、拉致前の陰鬱さを微塵も感じさせないラストシーンにただただポカーン。
あんたら、泣きながらクリニック行くこと決心したんじゃろ!お互いの人生のために最良の決断をしようって、それで中絶することを選んだんじゃろ!たまたま中絶し損ねて、産んでみたら愛人の嫁も意外と折り合ってくれましたって……ないわー!!!
中絶とはいえ両親に殺されかけて、異常者のお陰で産まれることになった赤ちゃんの名前が「メグ」(まさに『隣の家の少女』)。
一見ハッピーエンド風の裏に、ここまで底意地の悪い呪いがかけられているとしたら、反吐が出るほどムカつく小説なんですがね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説(海外・翻訳)
- 感想投稿日 : 2015年1月11日
- 読了日 : 2014年12月14日
- 本棚登録日 : 2015年1月11日
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