同姓同名小説

著者 :
  • ロッキング・オン (2002年10月24日発売)
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感想 : 29
5

松尾スズキ、初の短編小説集。
松尾スズキが好きで好きで、戯曲だけじゃ全然足んねえ、と思っていた頃に刊行。
そらハードカバーで買うわ。1500円、出しますわ。

初読は2002年。
ユーロが流通して、雪印がなくなって、ソルトレーク五輪があって、日韓W杯もあって、自衛隊は東ティモールに派遣されて、鈴木宗男が逮捕されて、石井館長も逮捕されて、田中さんがノーベル賞もらって、金正日が拉致事件認めて謝罪して蓮池さん達5人が帰ってきて、タマちゃんは神出鬼没で、猫も杓子もベッカム様だった。
そして私は色々中途半端ながらもとりあえず身分的には社会人1年目だった。

芸能人の名前いっぱい出てくるけど「実在の方々とは何の関係もありません。同じ名前の別の人、としてお読みください」とのこと。

甘えん坊さんの大学生から心の準備体操なしで社会に飛び込んでしまい、泳いでるのか溺れてるのか解んないアップアップの中、築30年のアパートでひとり膝を抱えながら読んだのを思い出す。
読みながら、「こういうパロディって風化しちゃわないのかなあ」とか余計な心配をして、でもとにかく面白くて、こんなブッ飛んだ小説を書く松尾スズキがいる世界にいられて良かった、みたいな事まで思って、そんでインスタントラーメン食べて寝たのを思い出す。

先日、久々に再読。
ホント芸能人って、架空の存在だなあ。空想上の生き物だなあ。河童の類だなあ。ヒロスエ回が全てを物語っていると思いました。
今はもういなくなってしまった人たちもいるけど、松尾スズキのキレキレのギャグは全く色褪せていないよ!

第1話「みのが、みのであるために」―みのもんた
第2話「ピンクレディー復活の日」―ピンクレディー
第3話「蚕谷村奇譚・なお美の夢」―川島なお美
第4話「間違えたいの!」―中村江里子
第5話「上祐の夏」―上祐史浩
第6話「乱の乱」―乱一世
第7話「力の魂」―竹内力
第8話「田代の一番長い日」―田代まさし
第9話「女優・荻野目」―荻野目慶子
第10話「広末の秘密」―広末涼子
第11話「総理の息子と呼ばないで」―小泉孝太郎
第12話「モニと私」―モーニング娘。
第13話「上161下105の男」―松尾スズキ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(日本)
感想投稿日 : 2013年5月24日
読了日 : -
本棚登録日 : 2013年5月24日

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