人間失格

3.87
  • (126)
  • (154)
  • (121)
  • (23)
  • (5)
本棚登録 : 1800
レビュー : 166
著者 :
タママさん  未設定  読み終わった 

古屋兎丸の漫画『人間失格』を読んでから、太宰治の『人間失格』を読みました。そのため、ずっと両者の違いを意識しながら読む形に。

漫画は舞台を現代に置き換えているので原作とだいぶ違いがあります。私が1番大きな違いと感じたのは、原作では幼い頃下男・女中に悪戯された過去をしっかり最初から告白しているが、漫画は最後薬物中毒になった際に支離滅裂な台詞の中その告白がされている所。
薬物中毒になってからの葉蔵の独白が終わるまでも小説では割と短いですね。漫画では、薬物の怖さがこれでもかと描かれているので、読みながら顔が歪みました。各エピソードの描かれ方もだいぶ違うかな。
ある人間が葉蔵の手記を見つけてしまい読み始める、という形態は同じものの、漫画の方が彼の人生を読み解くという体で劇的に描いているから違いが出るのでしょうね。
にしても、この原作からあの漫画を産むとは古屋兎丸、改めて凄い。

漫画は強烈な絵でもって読者はわかりやすく葉蔵の堕ちていく姿を見ることができるが、小説は全体的にあっさりしています。読み方によっては「で?何この男妾?ただのクズの話だな」で終わってしまいそうですが、最後のバーのママの一言と太宰治本人な人生がこの作品を名作にしている気がします。どちらも終わり方はパンチが効いてますが、小説のほうは本当に胸にくる終わり方で、私は好きです。

レビュー投稿日
2019年5月19日
読了日
2019年5月15日
本棚登録日
2019年5月15日
4
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『人間失格』のレビューをもっとみる

『人間失格』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする