有川浩さんは、ご存知の通り「ラブコメ書いたら天下一品」の作家さんです。でも本作は、有川さんの他作品とかなりテイストが違ってました。
描かれているのは、男子大学生の部活世界です。それもスポ根でも真面目な文化部でもありません。
成南電気工科大学『機械制御研究部』、略称【機研】! 周囲からはキケン(危険)と、距離を置かれる存在で、何事も本気で遊ぶことをモットーにしているのでした。
男子大学生の若気の至りというか、おバカな思考回路、アホでくだらない行動の描かれ方がとても見事です。現実より面白いことへの関心の強さ!
女性作家さんが、なぜここまで男子のノリやハマり具合、熱中の仕方まで描けるのか、感心してしまいます。
本作は、読み進めていくうちに判るのですが、機研に所属していた元山が、思い出話として妻に語る体裁を取っています。
エピソードごとに元山の奥さんの感想を挟みますが、ツボにハマってウケています。女性目線での男の友情への嫉妬なんでしょうね。
人には、どん底の過去もあれば、キラキラ輝く過去もあるでしょう。どちらもノスタルジーに浸っていては、現在から先に進めませんが、今の自分を形成している一部分であることに違いありません。
自分の若かりし頃を振り返り、「今頃どうしているかな?」と何人かへ思いを馳せるような、熱い物語でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年12月21日
- 読了日 : 2023年12月21日
- 本棚登録日 : 2023年12月21日
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コメント 4件
ゆーき本さんのコメント
2023/12/21
NO Book & Coffee NO LIFEさんのコメント
2023/12/21
hibuさんのコメント
2023/12/23
NO Book & Coffee NO LIFEさんのコメント
2023/12/23