戦略プロフェッショナル[増補改訂版]

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  • ダイヤモンド社 (2013年6月27日発売)
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戦略と腕力(リーダーシップ・実行力)を有した「経営のプロフェッショナル」の必要性。
<メモ>
・経営トップが使える時間は有限。攻めの経営をする上での最も貴重な経営資源は
 トップの時間だったりする。忙しいほどに全体の俯瞰が困難になるため、優先順位 
 をつけ社長と合意しておく。

・社員の士気
 生ぬるい会社ほど、社員のエネルギーが内向している。
 お客様・競合への意識が薄く、自分たちの都合がまかり通っている。

・プロダクト・ライフサイクルを踏まえた戦略設計
 導入期・成長期・成熟期・衰退期によって様相が異なる。
  ・競争よりも市場拡大。そもそもメーカー数が少ない
  ・新規参入の増加による競争激化(cash out最大に)
  ・脱落者の発生と少数安定による「地盤」の完成
  ・コスト高のものから撤退
 成長率(高・低)× 競争ポジション(強・弱)でマトリクスを組めば、
 初期はすべての事業が成長率:高 & 競争ポジション:弱。
 そこから最終的には成長率:低 競争ポジション:強に向けて、どうポジションを
 築きながら事業拡大していくかが鍵。

・αテスト・βテスト
 α:親しい顧客や仲間内でのテスト
 β:必ずしも好意的でない本当の客先に持ち込んで行うフィールドテスト

・失敗の疑似体験
 経営者としての「勘」は後天的。数々の失敗を通じて磨いている。
 ただし必ずしも本当に大失敗する必要はない。信用も傷つく。
 いい線に行っている事業でも当初の目標・計画から外れていれば失敗
 本人だけが疑似体験をできる。そしてそのためには明確なゴール設定。

●戦略検討のプロセス
1)仕事の優先度
 全社観点からその領域に取り組む意義を明確化。
2)全体市場の俯瞰
 市場規模、競合状況、参入障壁など
3)戦略製品の抽出
 成長商品・ダメ商品を整理。プロダクトライフサイクルと市場シェア。
4)製品の差別化能力の確認
 売れないのは商品のせい?< 営業のせい
5)価格と利益構造のチェック
 競合価格との比較。社内の利益率とのバランスを確認
6)戦略ロジックの策定
 ユーザ訪問を通じた”真のボトルネック”の特定。
 価格はむしろ安すぎる、資産購入の壁(イニシャルコスト・経済性)が課題だと。
7)組織の強み・弱み
 代理店販売→直販への切り替え。顧客理解の深化。
8)市場ターゲット選定
 1000社程度がターゲット。これなら直販で問題ない。
9)戦略展開の時間軸
 競合参入までのタイムリミット。すべてはこの時間軸で組み立てる必要あり。
10)価値観の混乱化
戦略ロジックを現場メンバーに当てていく。従来のやり方の否定し、価値観を
ひっくり返すことが組織を新しい戦略に収束させるための第一歩。
 組織からの反発や不協和音が生じないようにトップを巻き込んで一体で進める。
11)新戦略と実行プログラム
 戦略ロジックはトップダウンで落としたが実行プログラムへの落とし込みは
 現場の参加型で構築する。
 その際に”目標先行のプランニング”にすることが重要。現場に目標設定まで
 任せてしまっては現状の延長でしか出てこない。戦略的・Boldな数字を先に
 提示し、これを達成するためには、という視点で考えさせる。


・セグメンテーション
 戦略(選択と集中)の要。これをやらせると顧客への理解度が丸裸になる。
 顧客を理解していない営業はセグメントを切れない。

 また戦略浸透の道具としても使える。セグを定義し現場営業にプロットさせる
 ことで戦略への理解度、浸透度が増していく。



 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 事業作り/組織論
感想投稿日 : 2021年7月18日
読了日 : 2021年6月28日
本棚登録日 : 2021年7月3日

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