小澤隆生 凡人の事業論――天才じゃない僕らが成功するためにやるべき驚くほどシンプルなこと

  • ダイヤモンド社 (2025年2月19日発売)
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●起業家と事業家
 事業家=事業やサービスを立ち上げ、成長させることにフォーカスする専門家。
 ひらたく言えば自分が社長で居たいかそこにはこだわらないか。

●戦略と戦術
 どこの山に登るか(戦略)とどのルート(戦術)で登るか。
 戦術はいくらでも変えられるが戦略は基本的にぶらせない。ここが甘い会社が多い
 尚、1つの戦術でセンターピンを倒せることは稀。だからこそflexibilityは必須。

●事業の成功フレームワーク(才能<やり方)
 ①最低限達成すべきゴールを決めて、事業のセンターピン(最もインパクトの有る
  事業成功の主要ドライバー,KSFなど)を見極める
 ②仮説を立て、テストを繰り返しながらゴールに最短で到達する正解を見つける
 ③見つかった正解を徹底的に実行する

●51点のゴールを定める
 最初から80点90点を実現できるわけではない、最低限事業の目的から逆算して、
 絶対に達成しなければならない搭載艇ライン(51点)を決めること。
 楽天ゴールデンイーグルスで言えば、シーズン開幕5ヶ月前に始動したが、
 1. 開幕日に対戦相手とシアンができるチームがあり、2.プロ野球が成立する
 スタジアムが完成していて、3.チケットを売り、購入したお客様が球場で観戦
 できること。

●事業の打ち出し角度(≒ユーザの根源的ニーズ)とセンターピン
 目指すべきゴール二到達するために、どの方向に走り出すべきか最初に戦略を
 立てる。ここには周到な調査と計画を行い、手戻りがないように意識する。
 ※事業の不確実性を下げていくのが事業開発。走り出しが瞬間が最も不確実性が
 高く、究極360°どこにでも走れる状態。
 
 なので最初の走る方角(打ち出し角度)を正しく設定すること。
 角度を決めたら優先順位付け(=最も効果的に目的地に到達することができる
 センターピンがどこか、それをどうやったら倒せるのか)をプランする。

 【スタフェス】弁当の宅配サービス。
 ▶打ち出し角度:弁当には作る・売るの2つの要素があるが、(食品のプロでは
  ないので)作ることではなく、売ることに集中する
 ▶CP:ネットでは必ずしも美味しい弁当が売れるわけではない。美味しそうに
  見えるか、という見た目に拘る。
 ▶戦術:レイアウト、写真撮影(通常は作りたい人が型霊で撮影 vs 一眼レフ etc)

 【コンビニクリニック】
 ▶打ち出し角度:コンビニのように便利に使える診療所
 ▶CP:立地、営業時間、ホスピタリティにおいて利用者の便利に使いたいニーズに
  徹底的に応える
 ▶戦術:駅から至近距離、週末夜対応、医師が丁寧、高級感、ネット予約 etc

 【Yahooオークション】
 ▶打ち出し角度:GMV(流通取引総額)を最大化する
 ▶CP:商品数、価格、物流を日本一にする
 ▶戦術:出店料を無償化、ZOZOと一休を買収&ポイント還元率を高める、物流
  投資(配送日の短縮)

 【Paypay】
 ▶打ち出し角度:Paypayを何度か使ってもらう(5回=価値の実感)
 ▶CP:還元率と使える場所で日本一になる
 ▶戦術:景品表示法の上限20%の還元、サービス開始1年で100万箇所に拡大
  そのためにまずは直販営業を3000名確保。100億還元CPはたった10日程度で
  消化される反響ぶり。ただ重要なのはこのシンプルな戦略・戦術設計を愚直に
  達成するために必要なExecutionを行いきったこと。

●組織力と逆上がり体験
 成功体験の必要性。成功体験ほど人を成長させ、持続的なモチベーションとなる
 ものはない。逆上がりを始めてできた時、その後確実に複数回回ってみるはず。
 それくらい強烈な心理的な幸福がある。それを意図的に組織にどれだけ積ませて
 上がられるか。 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 事業作り/組織論
感想投稿日 : 2025年2月24日
読了日 : 2025年2月24日
本棚登録日 : 2025年2月24日

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