アランのプロポの四季篇ですね。
アラン(1868ー1951)は、本名 エミール=オーギュスト・シャルティエ。フランスの哲学者、評論家、モラリスト。
プロポは便箋二枚位の断章で、アランが考案した文章形式で、日本訳は「語録」「論語」或いは「コラム」でしょうか。翻訳の神谷幹夫さんは「かたち」と訳されています。
アランは三十年間で約五千のプロポを書いています。
プロポは幾つかの分野に別けることが出来ます。
アランの代表作「幸福論」は、このプロポから抜粋されたものです。
そして、「四季をめぐる51のプロポ」も、春、夏、秋、冬にちなんだプロポを抜粋編集されたものです。
日本の四季とは、ニュアンスが違う四季へのアランの考察がプロポで書き表されています。
「季節は人間に近いものだ、と言った。実際、だれが季節を知っている。もっと季節を知りたいとは思わないほど十分に。だれもが知っているものには「かたち」がある。この「かたち」を、アランは見事に捉えている。」と神谷幹夫さんは綴られています。
少し、訳が堅いのは、哲学者の考察が導きだしたものであるためかな。語り言葉ではあるのですが、アランの思考を追うかたちで読み進めるので仕方が無いですね。便箋二枚位の断章ですから、読み返しも楽ですから、一つ一つのプロポを味わいましょう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
哲学書
- 感想投稿日 : 2024年3月29日
- 読了日 : 2024年3月29日
- 本棚登録日 : 2024年3月29日
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