2008年、ヒラリー・クリントンとバラク・オバマがアメリカ大統領の座を争っていた
時、
私はヒラリー・クリントンが勝つのではないかと思った。
政党や政策、選挙運動の巧拙とは関係なく、
ただ漠然とアメリカに「黒人大統領」が誕生するのはまだ早い気がしたからだ。
たとえ、オバマ氏が奴隷とされていた祖先を持たないとしても。
しかし、オバマ大統領が誕生した。
それは米国史上、本当に画期的なことだった。
そのオバマ氏が大きな影響を受けていた人物がマルコムXだとしたら、
それは大変、興味深いことだった。
なにせ、恥ずかしながら、
マルコムXはブラック・パンサー党のリーダーと誤解していたぐらい、
私には知識がなかったので。
それぐらいの初心者に丁度良いぐらい、
難しくない内容だった。
マルコムXの伝記という側面もあるが、当時の思想的流れも書かれている。
中西部の白人ばかりの学校で良い成績をおさめていたこと、
刑務所で聖書や名著を読んで勉強したこと、
聖地巡礼をしたこと、といろいろなことが印象的だった。
マルコムX自身は暴力的でもなければ、
宗教団体のスポークスマンではあったがエキセントリックでもない
ということもわかったし。
もっとも印象的だったのは、
著者がマルコムXが暮らした家を訪ねて、甥の話を聞けたエピソードかな。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年10月29日
- 読了日 : 2015年10月29日
- 本棚登録日 : 2015年10月28日
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