ゴッドウルフの行方 (ハヤカワ・ミステリ文庫 110-2 スペンサー・シリーズ)

  • 早川書房 (1986年9月1日発売)
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本棚登録 : 257
感想 : 21
4

チャンドラーの正統的後継者、とどこかが見て。

その通り。
タフで独善的で女に目がない探偵に、
美女と殺人と拳銃と、まさにハード・ボイルド。

HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKで読んだので、
とても楽しかった。
まだアメリカの生活様式や文化が今ほど知られていない時代に
翻訳している苦労がしのばれて。
今でいうバレッタを、「バレット(クリップの一種)」と訳したり、
「ダンガリー(太織りの木綿の一種)」とか
「グラノラ(ナッツと胡桃の種の入った健康食品)」とか、
なぜか楽しい。

大学で盗まれた写本を探すはずが殺人事件に巻き込まれ、
容疑者の女学生の疑いも晴らすことになったスペンサー。
あっという間に大学への立ち入り禁止になるが、
大学新聞を作っている女子学生(といっても四人の子持ちの未亡人だが)に
食事をおごって情報源にする手際はさすが。
母と娘それぞれと、ベッドを共にしてしまうだけのことはある。

しかし、ハードボイルドの探偵の自称がなぜ「あたし」?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ヴァイオレンス
感想投稿日 : 2022年8月13日
読了日 : 2022年8月10日
本棚登録日 : 2022年8月12日

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