改めて文法を学びなおそうとしている方にかなりおすすめ。
構造の理解と暗記部分に分けて解説してあり、易しい言葉しか使われていないので1日あれば一通り目に通せます。

2023年1月29日

読書状況 読み終わった [2023年1月29日]

森絵都さんの『カラフル』みたいな感じでした。
ルッキズムと自己肯定感、アイデンティティの部分が中高生ドンピシャの悩みとか葛藤に繋がって共感できる読者も多いのではないかと思います。
ミステリー要素と幻想的とは違うけど非現実的な設定も物語のテーマを軽く、読みやすいものにしていて、YA向け小説だと感じました。

2022年6月18日

読書状況 読み終わった [2022年6月18日]

季節は冬に向かおうとしているころ、小さな訪問者がオンネリとアンネリちゃんのお家にやってきます。それはプティッチャネン族のショーララ家です。彼らは新しいお家を求めて、薔薇乃木夫人を探していたのです。けれども薔薇乃木夫人はなかなか見つかりません。そこでオンネリちゃんとアンネリちゃんは小さな家族をしばらくの間、泊めてあげることにしました。小さな家族と素敵なお家で楽しい日々を送るのもつかの間、ショーララ家を見世物にしてお金を稼ごうと企む悪い輩がやって来て…。ドキドキハラハラな展開と小さな訪問者の暮らしぶりやクリスマス、北欧の冬景色を舞台したに心躍る物語です。

前作との繋がりもあって、今回も窮地を救うオンネリちゃんとアンネリちゃん、そしてお巡りさんに拍手喝采です。小さな訪問者がドールハウスで暮らしたり、オンネリちゃんとアンネリちゃんたちが小さくなって一緒にクリスマスを楽しむ場面も夢があって楽しい作品でした。
映画を観てないので、これからみたいと思います。できれば全シリーズ、翻訳して欲しい作品です。

2022年3月10日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2022年3月10日]

幼くしてお母さんを亡くし、新しいお母さんがやってくるもなじめない。実の家族であるお父さんは戦争に駆り出され、悩みも不安も吐き出せない。ご飯も満足に食べられなくて、「こんなご時世だから」の一言で我慢に我慢を重ねる毎日。少女時代の角野栄子さん、通称イコちゃんの戦時中の体験が綴られた本作は、非体験者にはわからない戦争の恐ろしさ、そしてなぜ戦争は繰り返してはいけないのか、を語りかけてくれます。イコちゃんの疎開先の近くの、暗くて怖いトンネルの森の向こう側に訪れた平和を壊さないために、私たち一人一人が過去の戦争と向き合い、平和のために今何ができるのか、考える必要があるのだと思います。戦争体験者の真正な声が詰まった本作は大人、子ども関係なく、多くの方々に読まれ続けて欲しいです。

2022年3月8日

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読書状況 読み終わった [2022年3月8日]

高校2年のビッグイベント、修学旅行。
いわくつきのホテルで霊に取り憑かれた女生徒が千晶先生の命を狙う。果たして夕士くんは誰一人として犠牲者を出さずに無事、修学旅行を終えることはできるのか…。

修学旅行がスキー三昧なんて今どき珍しい…。関西とか沖縄とか、海外なんて選択肢もある学校と比べるとローカルな感じがして新鮮でした。
なんか、千晶先生が登場してから穏やかじゃない笑。千晶先生自体は悪くないんだけで良くも悪くも人から注目されるわ、無自覚だけど霊に関する体質も備わってるわでトラブルメーカー的立ち位置を確立しそうな勢い。(千晶先生自体に問題はないからこそタチが悪い笑)
そして、夕士くんと千晶先生のBL的展開もいよいよ本格的に…。いや、千晶先生が予想以上に甘えん坊?(体張るんですけどね)、んでもってそれに応じる夕士くん(オカンなみ)の関係性がね。苦手な人は無理かもレベルでBL要素濃いめな一作ですが、ガチではないので軽〜く受け止めて楽しむと良いと思います。
肝心の霊はよくあるパターンといったら失礼ですが、教師と生徒の恋愛、生徒捨てられる、自殺、その怨念と執着の憑依現象ってな感じです。あるある展開なぶん、読みやすいし、わかりやすいと思います。

2022年3月8日

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読書状況 読み終わった [2022年3月6日]

ラスベガスのどんちゃん騒ぎ、画家や詩人、クリやシロのその後…。
夕士くんの成長とともに妖怪アパートの日常も変化し、ちょっぴり寂しい出来事も起こります。しかし、別れがあれば出会いもある。夕士くんがどんどん成熟した大人になるということは、迷い込んだ若者を受け入れる立場になる(かもしれない)ということ。そうやって出たり入ったり、戻ってきたり、を繰り返して、妖怪アパートは存在し続けるのでしょう。ステキなラストでした。

2022年3月8日

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読書状況 読み終わった [2022年3月5日]

「妖怪アパートの幽雅な日常」シリーズでかかせない、るり子さんの手料理の数々が自宅でも楽しめるという夢のようなレシピ本です。機会があれば作ってみたいと思います!その他にも 妖怪アパートの間取り図やるり子さんの日記、スピンオフ小説など、魅力的な企画が盛りだくさんです。特にるり子さんの料理に対する情熱と控えめながらも心の奥底にしっかりとした芯のあるお人柄がよく表された日記が読んでいて楽しかったです。

2022年3月3日

読書状況 読み終わった [2022年3月3日]

友達の紹介で読みました。
男同士の情事を目的に逢瀬を重ねる者たちにとっての憩いの宿、「左近」。そんな宿屋「左近」の長男(16歳)桜蔵はあらゆる状況で異界のもの、妖のものを惹き付けてしまう魅力を持つ。それは本人が気づいていない、また認めようとしないが、魂は女である故に。
桜蔵の隙だらけで自分の本性に気づけていない初々しさに性別を超越した魅力があるだと感じました。文体や言葉のセンスが耽美、幻想的、古典的で、堅苦しくない程度の日本語の重厚さを感じることができる作品です。知識不足で理解出来ていない世界観もあるのですが、古典や日本史好きの方なら好ましく感じる世界が広がっているのではないでしょうか。

2022年3月3日

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読書状況 読み終わった [2022年3月3日]

物語では語りきれていないキャラクターの個性や妖怪アパートの魅力がたっぷり詰まったガイドブックです。しかも、ファンにとってはたまらないスピンオフ小説付き!!個人的には著者、香月日輪さんのインタビューが読んでいて面白かったです。香月さんが漫画からの影響を多分に受けていると知り、キャラクターの個性や物語の展開がコミカルでポップな感じがするのに納得したり、「リアルな繋がり」を大切にする方だからこそ、お風呂や食卓といったアパートの共有スペースの描き方の温もりや楽しさを表現するのが上手で、読者もそこに惹き付けられるのではないか、と考えたり。読めばさらに妖怪アパートが好きになること間違いなしです。

2022年3月3日

読書状況 読み終わった [2022年3月1日]

初めは早く自立して大人になることが目標だった主人公の夕士くんがアパートで出会った幽霊、妖怪、その他のもの達や学校、アルバイト、そして親友の長谷くん、様々な人との出会い、交流を通して、世界の広さを知り、自分の人生を切り開いてゆく姿が凛々しい作品でした。最終巻にして人生の方向転換を余儀なく迫られる夕士くんでしたが、悩んで、考えて、ときには相談して、熟慮の末に誰かがヒントをくれたりして、そうやって人生は思いもよらぬ展開をむかえたりするのだな、と思いました。周囲のペースに流されることなく、自分のペースで人生を楽しみたい、強くそう思いました。
シリーズ全体の印象としては教科書のような作品だと感じました。なぜなら、主人公の夕士くんを中心にそれぞれのキャラクターの思考過程がしっかり描かれ、世の中の捉え方が明確に提示されているからです。よって、なんだか説教臭いな、と感じる読者もいるかもしれません。しかし、語り口が若者言葉で内面のセルフツッコミなど、ある程度重みのあるテーマも軽く読める形になっています。また、現代の子どもや大人に対してかなり鋭い指摘も多々あります。ただし、昔の子ども、大人を賛美しているわけではありません。昔と比べ年代問わず、不安定な人間が増えている一方で古から変わらない精神力を持つ妖怪たちの相反する構図が現代の読者に強く訴えかけるメッセージがあると思います。最後に、この作品には妖怪や幽霊、魔導書といったオカルト、心霊的要素が多々登場しますが、あくまでも話の中心は進路、友情、学校生活、といったYA世代の子どもたちの等身大の姿です。彼らの悩みに寄り添う数少ない現代社会の大人、そして妖怪アパートの住人。この作品を通して少しでも子どもたちが活き活きと、そして子どもを見守る大人の姿勢がより良い方向へと進歩するのではないか、と期待せずにはいられません。

2022年3月1日

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読書状況 読み終わった [2022年2月28日]

シリーズ史上、最も大きな出来事が起きた回だったのではないでしょうか。
印象的だったのは千晶先生です。強盗に襲われて大怪我を負った千晶先生に対して、魔導書を多少なりとも扱える夕士くんは罪悪感を抱くわけです。もっと早く自分が事態を収集できたのでは、と。これは特別な力、常軌を逸した能力があるからこそではなくて、誰しもが大切な人を目の前で傷つけられたり、失ってしまったときに感じる気持ちなのではないでしょうか。しかし、千晶先生は夕士くんのそうした感情を優しく諭してくれるのです。ぜひ、作品を読んで確認して欲しいです。千晶先生の口から語られる「救助」の本質を。

2022年3月1日

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読書状況 読み終わった [2022年2月28日]
カテゴリ 児童文学・日本

自分が通っていた高校は文化祭が3年に一度だったので、毎年ある夕士くんを羨ましく思いました。楽しいですよね、文化祭。企画を考えたり、準備中に友達とワチャワチャしたり、教室が華やいで勉強のためのスペースではなく非日常空間に変化していく。先生の知らない一面も見ることが出来たりして(千晶先生のように)。だけどみんながみんな楽しいわけじゃない。周囲の人と合わせて行動することが苦手な子もいれば、いまいちクラスの雰囲気についていけなくてモヤモヤする子、リーダーシップを発揮する子や楽しそうな子を僻む子。文化祭をネガティブに捉えるその気持ち、決して悪くはないと思います。誰だって苦手な作業とか空間はあるし、そのときの状況もあるし。だけど、そのネガティブな気持ちをどう持っていくか、で状況は変わると思うのです。苦手な集団作業に付き合ってみんなと合わせてあげる自分、偉い!って密かに優越感に浸るとかね。なんでもいいと思います。ネガティブの根底にある悲観を見直してみなよ、そう問いかけてくれる物語でした。

2022年3月1日

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読書状況 読み終わった [2022年2月28日]

「性」の話題が結構でてきた回でした。子どもを理由に避けがちなテーマではあるけれども、中学生から高校生になると身体も大人に近づいてくるし、情報や知識もなんとなく入ってくるわけで。ただ、それを正しく処理するためにはまだ未熟なところもあって。最近は日本でも学校や家庭での性教育の重要性が見直されているような気がします。かけがえのない自分を傷つけないよう、命を育む大切な営みであることを大人側が恥ずべきことと見なさず、子ども達にまっすぐ伝えていかないといけないのだと思いました。
そして、夕士くんの日常生活は別れと出会いの季節を迎えます。別れは寂しいけれど、それぞれ新しい目標や未来のために歩き出し、アパートでは秋音ちゃんが四国へ旅立つと共に桔梗さんが新たな師匠として登場します。物事が循環し、命の息吹が芽生える「春」という季節と「性」のテーマが共鳴しあう物語です。

2022年2月27日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2022年2月27日]
カテゴリ 児童文学・日本

現代の子どもは我慢する力が足りない。それもわかるけど…。上手くいかないことが重なりすぎて、何もかも投げ出してしまいたい気持ちもわかる。他者にとっては日常の些細なことかもしれないけど、些細なことが重なればそれは大事になって、1人では抱えきれなくなって。こうした日頃の何気ないストレスを共有できる人や場所の存在はいくつになっても必要なんだと思うな。我慢も大事。でもそれと同じくらい毒を吐くことも大切。

2022年2月26日

読書状況 読み終わった [2022年2月26日]

大人になり切れていない大人、として登場する英語教師、三浦先生。
真面目で熱意がある教師で、自分のやり方や価値観で挫折することなく大人までたどり着いてしまったからこそ、価値観のすり合わせが上手くできない。人それぞれの価値観があって、その人の家庭環境とか考え方によって形成されていくわけだけど、やっぱり社会で生きていくにはそのままでは通用しないときがくる。相手に合わせる、譲歩する、独りよがりではダメなこともあるし、柔軟に変化させることによって価値観はより広く、深みを増すのかもしれない。

2022年2月26日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2022年2月26日]

正反対な新任教師2人とちょっと訳あり転入生1人が加わって、夕士の学生生活がドタバタする物語。
善意や正義がいつも誰かを救うわけではなくて、むしろ押し付け、決めつけになってしまうと怖いな、と感じました。相手のためを思って、と上っ面は良くても根底には自分はこれだけしてあげた、という思いがあると、結局は自己中心的なだけなのだと気付かされました…。
また、度をいきすぎたコンプレックスも厄介なものです。他者と比較した故のコンプレックス(物語の山本さんは優秀なお姉さんと比べて)は一概にダメとは言いきれない部分もあると思います。優秀な人に近づこうと努力したり、手本にしたり、自分の足りない部分を客観視することもできる、という点で。しかし、それが卑屈な方向に向かって承認欲求を満たそうと周りを否定して、自分を悲観したり、自尊心の塊になってしまうと恐ろしいです…。山本さんの心の闇が本当の意味で救われて欲しいですね。

2022年2月26日

読書状況 読み終わった [2022年2月26日]
カテゴリ 児童文学・日本

主人公・夕士くんが魔道士として魔導書を扱えるようになるための特訓の日々が綴られてます!特訓、訓練、修行ってついつい惹かれてしまいます。寝る、食べる、鍛錬するっていうルーティンワークが魅力的なんですよね。私達も普段の生活の中で何かしらルーティンワークがあるんですけど、めんどくさくってサボりたくなるとき、あるじゃないですか。そんなときに物語の中で頑張る登場人物たちをみていると、自分も頑張らないとなって励まされます。最近やる気出ない、何もかもめんどくさい、投げやりになっているときにおすすめの作品です。

2022年2月25日

読書状況 読み終わった [2022年2月25日]

10代のころのモヤモヤした気持ち、何をやっても満たされない不安定さ、思春期特有の感覚がよみがえってくる作品でした。この作品のキーワードの1つは「はんぶん」だと思います。主人公のタタは自分が「はんぶん」しかない、と思って探しものの旅に出かけます。タタが旅を通して見つけたものとは一体なにか、ぜひ読んでみて欲しいです。ちなみに、私のお気に入りのフレーズは「終点ね、終点は『森のはじまり』って駅だよ」(p.234)です。成長や人生は終わりとはじまりの繰り返し。常に前だけに進むのではなく、たまに引き返したり。ゆらゆら旅するように歩んでいくのもいいですよね。

2022年2月23日

読書状況 読み終わった [2022年2月23日]

普段読まないジャンルの作品でした。社会的格差、大人対子どもの描かれ方がえげつないです。ただし、それらの要素と同等、あるいはそれ以上のウェイトを占めるのが「恋愛」かな、と思います。1巻の時点ではヒロインに恋愛感情が芽生えるくらいで終わってしまうのですが…。普段の生活から飢えと戦い、家族を養っていかなければいけない重圧を担い、ハンガーゲームでは極限状態まで追い込まれるヒロインが生き延びようと知恵と身体能力をフル活用して戦っていく姿がかなり細かく描かれています。それでも年頃の少女と同じように異性の好意に戸惑い、恥ずかしがったりする姿からは純朴な普通の少女であることを思い出させます。歪んだ社会構造とヒロインの恋愛感情の芽生えがどのような展開をむかえるのか楽しみです。

2022年2月23日

読書状況 読み終わった [2022年2月22日]

被害者である黒人の少年の視点と傍観者である白人の少年の2つの視点で描かれた作品。1つの事件をきっかけに社会に根づく偏見や差別が顕になったとき、それぞれの少年が何を考え、どのような行動をとるのか。印象的だったのは、中立や傍観者という立場も一種の差別、偏見、暴力であること。誰かが無関心である限り、世の中は何も変わらないということ。
本作を読んでいるとき、最近放送されているドラマ『ミステリと言うもの勿れ』の、「真実は人の数だけある、でも事実は1つ」といった内容のセリフを思い出しました。この作品で起こった出来事にも2つの真実があります。1つは黒人の少年の無実なのに盗みを疑われて、暴力を受けたこと。もう1つは加害者側の警官による、窃盗を犯そうとした少年を逮捕しようとしたこと。しかし、事実は抵抗もしてない少年に警官が必要以上の暴行を加えたこと。警察や司法で公平に裁かなければならないのは事実で、私たちが考えなければならないのは警官の罪ではなく、警官の偏見や差別を生み出してしまった社会や歴史なのだと思いました。

2022年2月23日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2022年2月20日]

映画『ストーリー・オブ・マイライフ』を観て、原作が気になったため読みました!
装画を担当している北澤平祐さんのイラストも作品の世界とマッチしていて、美しい本となっています。
内容は四姉妹それぞれの人生と家族の絆、そして愛の物語です。私も妹がいるので共感できる部分が多く、特にジョーとエイミーの関係性、仲はいいのだけれどもちょっとした出来事で垣間見える劣等感や嫉妬、譲歩、といった感情の機微が印象的でした。
映画と比較してみると、忠実に再現されているところ、異なるところが見つかって、より作品を楽しめました!

2022年2月13日

読書状況 読み終わった [2022年2月13日]

彼女たちの思いや考えに共感できるところもあれば理解できないところもある、といったところでしょうか。それは同質で閉鎖的なカトリック系女子校で青春時代を過ごした経験がないから、もう「少女」ではないからなのか。彼女たちの求めるものは人間の根源的な欲求のような気がしました。私たちが日常生活の中でそれとなく満たせるものの本質を、彼女たちはストレートに求める。だからこそ、理解が追いつかないのかもしれません。

2022年2月4日

読書状況 読み終わった [2022年2月4日]

この作品を一言で表すならば壮大な愛の物語でしょうか。もちろん中心人物たちは高校生だし、舞台はアメリカのイリノイ州シカゴで、冒険に出かけるとかとんでもない事件が起きるとか、めちゃくちゃ特別なことが起こるわけではないのですが。ただ、人に関心を持つ、好きになる(恋愛として、友情として)ということは、自分という存在を突きつけられる(相手から、そして自分からも)瞬間なのだと気づかされました。愛はときに自分も相手も傷つけ、上手く伝わらない、そして試行錯誤して見つかるかもしれないし、見つからないかもしれない。ティーンエイジャーたちそれぞれが表す愛の形が印象的な作品でした。LGBTQを扱っているので、読みにくいと感じる人もいるでしょう。自分も1回読んだだけでは本作の魅力は掴めきれないと感じています。

2021年12月16日

読書状況 読み終わった [2021年12月16日]

振り返ってみると、私たちは様々なものを犠牲にしながら現在を生きているのだと痛感させられた作品でした。この作品は犠牲になる側の視点で支配者、権力者を描いているけれども、彼らを単に悪者として描いているわけではないように感じます。最後のオープンクエスチョンから、地球というひとつの惑星の中で、私たちはどうしたら人と生き物たちと自然と共存できるのか、考えさせられます。読み応えのある絵本です。

2021年12月10日

読書状況 読み終わった [2021年12月10日]
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