見えない星に耳を澄ませて

  • KADOKAWA (2020年12月18日発売)
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感想 : 19
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『病みついた誰かを魔法のように癒やすことなんて出来ない』
『あんたは話題が少ないわね。なんて言うか、特徴がないのよ』
『本当に向いてることも、本当にやりたいことも、大概の人にはないんだって』
『星はいいよ…決まった時間に必ず決まった場所にいるわけだし』
『生きている人間を支えてくれるのなら、幻にだって意味があるはずです。現実に影響を与えているんだから、むしろ本当に生きていると言ってもいい』


音楽療法士を目指す音大生の真尋。実習先の診療所にやってくるクライエントを様々な楽器を用いて治療する。楽器を奏で幻を作り、心を闇から救い出そうとする。だが、本当に治療が必要なのは…
登場人物はみな心に闇を抱えている。単に音楽療法で闇を解放していく物語ではない。というか、誰も完全には解放されていない。
「私たちはこんなにも弱くて、脆い。それでも生きることから、逃げられない」
読んでいて重たい、苦しい気持ちになるのは、主人公の真尋がずっと病んでるからだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年2月8日
読了日 : 2021年2月8日
本棚登録日 : 2021年2月8日

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