葉室麟さんの羽根藩シリーズ。
映画も見てみたいと思う。
作中の「未練がないと申すは、この世に残る者の心を気遣うてはおらぬと言っておるに等しい。この世をいとおしい、去りておない、と思うて逝かねば、残された者が行き暮れよう」という一文が何よりも印象に残った。
「三浦家譜」を完成させ、切腹を待つ秋谷に慶山和尚が問う。
「ならば思い残すことはないか」と。
秋田には首背して答える、
「……もはや、この世に未練はござりませぬ。」と。
重ねて僧侶が言われたのが、未練がないとはこの世に残るものに気遣いがないということだと。
人は生まれた瞬間から、命の砂時計が落ちる。止まることはない。
その中で、最も大きな財産は「愛おしい」そう思えるものにどれだけ出会えたかということに尽きるように私は思う。
自分の人生を愛おしむそんな生き方がしたい。そんな気持ちにさせられる本だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年10月1日
- 読了日 : 2024年10月1日
- 本棚登録日 : 2024年10月1日
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