意識と目的の科学哲学 (慶應義塾大学三田哲学会叢書 ars incognita)

  • 慶應義塾大学三田哲学会 (2024年5月21日発売)
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意識を、生物学という科学領域でどう位置づけるか、という話。正味87ページなので、読むだけなら2時間かからないくらい。新書とはいえガチの学術書なので、自分では理解しきれない所も多かったが、関心のあるテーマなので面白く読めた。
(一応、評価の星を付けてるけど、自分にとっての理解度込みなので、内容については評価していない(できない)ことを補足しておく。)

意識を科学的に扱うのは難しいという前提のもと、本書では「目的」という概念(これも科学としては扱いが難しい)を橋渡しに、意識を進化論的に説明し、生物学に取り込むアプローチを論じている。最終章で結論的に取り上げられる「生成評価の塔」というモデルは、これらを説明する際にスッキリとした理解を与えてくれる。厳密なモデルではなく、分かりやすさのための近似モデルだとの注釈は入っているけど、それでも自分の認識が更新される面白さを感じた。

以前読んだ戸田山 和久『哲学入門』と同じテーマを、生物学からアプローチしている、という理解で読んだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2024年8月4日
読了日 : 2024年8月4日
本棚登録日 : 2024年8月4日

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