警視庁陰陽寮オニマル 鬼刑事VS吸血鬼 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2018年12月22日発売)
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本棚登録 : 62
感想 : 6

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「この庁舎内に鬼がいる」真剣な顔で告げる陰陽師ベニーに、鬼丸は正体を隠し続けることに限界を感じ始めていた。そんな中、万博工事関係者の連続失踪に、吸血鬼が関与していることを突き止めた小麦早希が音信不通に。鬼丸は、謎の少女ヒョウリから小麦発見の通報を受け、邪気が漂う新宿御苑に向かうが、そこでは、“真怪・家康の首”による悍ましい“吸血の儀式”が始まろうとしていた。ついに最終決戦!陰陽寮チームの運命は?
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これで完結と思うとちょっと惜しい気がする。ベニーとオニマルがやっと互いに真実に向き合えて、これからもっとスムーズに事に当たれそうなのに……。ともかく本作も、禍々しい人ならぬものとの戦いであり、ベニーの身体もダメージを受ける。オニマルの、陰陽師を忌みながらもベニーを助けずにはいられない気持ちが、はっきりと形に現れた物語でもあった。だからこそ正体がわかってしまったのだが。本来分かり合えないはずの者たちも信頼しあえるという見本のようでもある。ホラーは苦手だが、コミカルな面も多く、愉しめるシリーズだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: た行の作家
感想投稿日 : 2019年2月1日
読了日 : 2019年2月1日
本棚登録日 : 2019年2月1日

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