まちまちな街々: ニッポン見聞録 (角川文庫 し 11-9)

著者 :
  • KADOKAWA (1996年8月1日発売)
3.22
  • (1)
  • (3)
  • (13)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 51
感想 : 6

+++
泥江龍彦(職業・作家)は、ある日、いいことを思いついた。それは、K書店を騙くらかして取材旅行にいく―つまり、ひとのお金でタダ旅行をするという企画だったのだ。かくして、泥江とその妻は、二人三脚の旅に出るが、世の中そんなに甘くはない!?抱腹絶倒の珍道中、漫遊記。
+++

相変わらずの清水節である。いい加減な顔をして、至極まじめ。まじめなふりをして、いい加減である。夫婦の会話や、行動に、思わずふふふっと笑ってしまったりしながら、結構きっちりと勘所はおさえられていて、勉強にもなるのである。その辺りに手を抜かないのは、著者のまじめさだろう。同行する妻の役割も大きい気がする。ときにわき道にそれそうな夫を本筋に引き戻し、ときに気ままに次の行動を決める。まさに二人三脚の珍道中なのである。ほほえましい。愉しく読める旅行案内と言った一冊である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: さ行の作家
感想投稿日 : 2020年4月5日
読了日 : 2020年4月5日
本棚登録日 : 2020年4月5日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする