行動経済学に関する啓発本を洋書で読むのはこれが4冊目(他は「Predictably Irrational」, 「The Art of Choosing」, 「Thinking, Fast & Slow」)。内容もそうだが文中で扱われるエピソードも重複するものが多いので、言わば「予習」が十分できていた状態だったため非常に読みやすかった。使用されている単語もこの4冊の中では一番簡単だと思う。
印象に残った点を挙げると、
・我々は提示されるサービスや商品の品質そのものでなく、それらが置かれたコンテクストを瞬時に読み取り、その良否を判断している。
・ある状況を判断する際、情報やそれを処理するためのルールは多ければ良いというわけではない。むしろ余分な情報やルールはより本質的な情報を処理する際の妨げとなる。
・専門家が瞬時に判断を下すことができるのは、数多くの経験により判断の基となる認識パターンが蓄積されており、この豊富なデータベースと目前の客体とを照合しているため。
・極端な興奮状態や、判断に十分な時間が与えられない状況下では、人間の感情移入能力が自閉症患者と同程度まで低下し、様々なコンテクストが眼中に入らなくなり、冷静な判断が下せなくなってしまう。
・専門家でなくとも、瞬時の判断が行われる「場」をコントロールすることにより、よりよい判断を下すための状況を作り出すことは可能である。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
Economics
- 感想投稿日 : 2013年11月25日
- 読了日 : 2013年11月25日
- 本棚登録日 : 2013年7月18日
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