Google先生によると、今日(2013年7月3日)はカフカの生誕130周年との事で、思いついて持っていた文庫を引っ張り出して読んでみた。
昔読んだ時(多分高校か大学の時?)は陰鬱で不条理で、虫になったグレーゴルのかわいそうな話だと思っていた。
今回読んだら、思っていたよりも、陰鬱と言うよりはブラックユーモア的だったし、グレーゴルは単なる語り手で、ザムザ家の家族の話だったのかもしれない、と思った。
ザムザ家は、グレーゴルを切り捨てる事によって再生し新たな道を歩んで行く。
昔は単純にグレーゴルに同情していたけれど、実は虫になるまでは、ザムザ家はグレーゴルの小さな王国だったのではないかと。
事業に失敗し借金を抱え、働けなくなった父、専業主婦の母、ヴァイオリンの好きな、家にいるだけの妹。
愛情はあったかもしれないけれど、自分が養っているという自負と、そんなグレーゴルに頼る家族の共依存。
そこから再生する為に、グレーゴルは虫にならなくてはいけなかったのかな。
※それにしても、色々な方のレビューを読むと感じ方が本当に人それぞれで、目からウロコな気分。何年かして読んでみたら、自分の感じ方もまた変わっているのかも。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外の小説
- 感想投稿日 : 2013年7月3日
- 読了日 : 2013年7月3日
- 本棚登録日 : 2013年4月14日
みんなの感想をみる