「ソウ」(のジェームス・ワンとリー・ワネル)×「パラノーマル・アクティビティ」(のオーレン・ペリ)のタッグと聞き、期待半分、不安半分(「ソウ」は大好きなホラーシリーズだが「パラノーマル・アクティビティ」は確実にオールタイムワーストなので)で観に行ったら大当たりだった。とくに前半の今そこになにかがいる、さっきそこになにかがいた、という描写がすばらしい。南国をおもわせる陽気で呑気な音楽にあわせ、不思議なダンスを踊るなにものか、とその伏線であるひとつまえの場面は、おれ史上に残る最恐シーンだ。一見、子どものようにも小人のようにも、あるいはおおきな操り人形のようにもみえるそれは、おなじ素材と色でつくられたジャケットと半ズボンと帽子を身につけている。いやどうだったかな……とにかく色と素材はもはや曖昧だけれど、それはどうやら制服っぽくて、見てくれはそんなかんじでいかにもおそろしげではないのだが、その分(?)っていうか、にも関わらずっていうか、異形のオーラがすさまじく、ダダ漏れる得体のしれなさが画面全体を禍々しくしている。仕草や姿形はむしろユーモラスでコミカルでありながらものすごくこわい。昔からたびたび「住宅街の夕闇にキティちゃんの着ぐるみが立っている」という恐怖の妄想に取り憑かれているのだけれど、ちょうどそんなかんじのやみくもに不安感を煽るなにかがあった。しかも、あれさっき壁際になんかちっちゃい人へばりついてたよね?それとも学生帽がかかってただけ?みたいな未だ錯覚なのかそうでないのか判然としないカットが直前に挿入されていて、そこらへんの演出はマジ神だとおもう。なにものかの全貌が露になる後半は、ちょっと攻撃的なホーンテッド・マンションに過ぎないが。
- 感想投稿日 : 2011年11月21日
- 読了日 : 2011年11月21日
- 本棚登録日 : 2011年11月21日
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