Five Quarters Of The Orange

著者 :
  • Black Swan (2002年1月1日発売)
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感想 : 1
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Joanne Harrisの今まで読んだ小説の中で、語り手が一人だけだった小説。いつも二つの視点からのストーリーが表裏で進むスタイルなので、今回は最初の章であれ?と思ったけど、今回の二つのストーリーは現在のフランスのある村と、ナチスドイツ占領時の同じ村。少女時代をそこで過ごしたフランボワズがある重大な秘密を持って、数十年後、65歳のときに帰ってくる。レストランを営みながら静かに暮らす日々に、母親の残したアルバムをめぐって、甥夫婦とバトルが勃発する。

いつもどおり、秘密を持つ者の戦い。今回はその秘密を主人公が語り、なぜ語るのか、語ることで何を得るのかがどんどん解き明かされていく。desperationにも似た忘れなれない恋心や、小さな村で子供たちが繰り広げる「罪深い」心理戦は、状況や環境が違うとはいえ、とても感情移入して読めた。ジョアン・ハリスの物語は、意地悪な自分をちくちく刺激する。だから、途中でやめてしまうと、なんだか意地悪な気分のままになってしまうので、最後までなるべく一度で読みきりたい。母親のアルバムは日記+レシピ帳で、時々引用されるレシピがおいしそうでたまらない。結構ダークな話だけど、食欲をそそるのはジョアン・ハリスのすごいところだなぁ.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: novels
感想投稿日 : 2012年4月17日
読了日 : 2012年4月17日
本棚登録日 : 2012年4月17日

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