大変面白い内容だった。
1980年に書かれた本とは思えない、読み応え抜群の内容でした。
特に歴史のパラダイム転換点を「波」ととらえ、波が押し流すように、以前の価値観を一変してしまうという記述が、多くの事例を紹介しながら詳細に解説されていました。
その抗いようの無い様子を「波」と表現して、第三の波がそれまでの工業化社会の価値観を押し流していくと予想しています。
おおむね現代の社会(2013年)はそのような社会になりつつあり、戻りようのないパラダイムの転換点を迎えようとしています。
工業化社会では有効であった「学校教育」が崩壊し、あらたな共同体が求められようとしています。
この本で印象的だったのが、共同体に対する価値観が再び第一の波で形成された農耕社会のそれに近づくんじゃないか、と書かれていた部分です。
それを読んだ僕の感想としては、今後インターネット社会の普及によって、価値観や個性が似通った小さなグループが多数形成され、それらが社会全体に島状に分布していくんじゃないかなと思っています。
そして、比較的似通った他の共同体と柔らかに繋がり、個人ははっきりとしたひとつの共同体ではなく、自分に比較的近い共同体のいくつかとゆるくつながり参加する世の中になるのかなと。
個人が参加できる共同体の数は限られてくるので、自然に自分とはぜんぜん違う共同体に参加する人間とは、物理的に接触できないような社会になり、自分が関わることのない共同体に属する人間は、「いないもの」となり、人生が交わることがない。
ゆるい共同体の島状村社会のような社会になっていくのかな、と思った次第です。
- 感想投稿日 : 2013年2月27日
- 読了日 : 2013年2月27日
- 本棚登録日 : 2013年2月27日
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