百年に一度の洪水がもたらした百年分の泥が、水底に堆積していた住人の過去の遺物や記憶を天日に晒す、というマジカルな物語。
エピソードの語り始め方や、話終わり方に、独特の手法があり堪能。また、事象のひとつひとつに対して、基本つきはなした態度のようでありつつ、未練ではないだろうがこだわりを有しているような湿り気も独特。
登場人物たちの過去の記憶が、とっ散らかってばらまかれるように見せようとしつつも、どことなくバラ撒き方が丁寧なせいで夢幻要素にひたりきれなかったが、これは単純に好みの問題。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本の短編・中編
- 感想投稿日 : 2018年3月4日
- 読了日 : 2018年3月4日
- 本棚登録日 : 2018年2月25日
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