重力ピエロ

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本棚登録 : 11862
レビュー : 1607
著者 :
藤原新一さん  未設定  読み終わった 

 正直言って最近の日本の「推理小説」に期待していない。中学~大学院にかけて古今東西のいわゆる「名作」を読んできた僕にとって、今の日本の「推理小説」はつまらない単なる小説にすぎないものが多すぎる。
 「推理小説」の醍醐味は、著者が読者に謎を提示し、その謎を何の疑問もはさませないように鮮やかに解決する。そこに「カタルシス」が生まれ、著者に「騙されたい「裏切られた」という気持ちが加わるものが「本格推理小説」だと思う。
 クイーンの「フランス白粉の謎」「ギリシャ棺の謎」、カーの偏執なまでの一連の密室作品、横溝・高木のトリックの独創性などを経験してしまってからは、わずかに島田荘司、綾辻行人氏の著作に上述のカタルシスを味わったのみだ。トリックは出尽くしたと言われるが、それでも読者を「裏切る」ことはできるはずだ。でも日本の若手の「推理小説家」と呼ばれる人の作品でその「裏切り感」を味わうこともほとんどない。
 前置きが長くなったが、この著作を僕は全く評価できない。予想通りの犯人だし、トリックもなし。「俺はいろいろ知ってるんだぞ」と本文に著者の知識のひけらかし及び雑学自慢が陳腐な比喩表現とともに並ぶ。
 ストーリーも稚拙だし、裏切られ感も全くなし。 しっかりしたストーリー、不可解な謎の提示、意外な犯人が推理小説に必要なのであってバタイユやらガンジーといった人物及びそれにまつわる述・知識・比喩が多すぎる。推理小説には必要のないものが多すぎるのだ。
 『アヒルと鴨のコインロッカー』を読んで「なんだかなぁ」と思い、それでも1作のみで判断してはならないと思い本作を読んだ。そしてやっぱりこの人のは「自分の知識をひけらかしたいだけなんだ」との思いを強くした。
 この作品は映画化されており、またこの人の著作は評価が高いらしいが、僕には全く理解できない。一言でいえば「つまらない。最悪」なのだが、そういう感想だと身も蓋もないので、つまらなく感じた原因を自分なりに分析してこういう結論に至りました。
 この伊坂幸太郎という人の著作を読むことは永遠にないと思います。

レビュー投稿日
2011年9月26日
読了日
2011年9月26日
本棚登録日
2011年9月26日
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