大学生のときに初めて読んだ。
犯人は割と早い段階でわかったが【※非公開メモ欄へ】
タネを承知で久々の再読、それもまた愉し。
詩人・歌川一馬に招かれて屋敷に集った文化人たちだったが、
人間関係は複雑に入り組んでいて、いがみ合う者同士も。
一馬宛てに犯罪予告とも受け取れる手紙が届いた上、
小説家・矢代寸兵とその妻・京子への招待状は、
一馬の手を離れた後、何者かによって一部が改竄されていたことも判明。
翌日から次々に殺人が起こる。
矢代は一連の事件を
複数犯の別個の動機によって散発した「不連続」殺人ではないかと考えるが、
弟子の巨勢は、
犯人がそう捉えられるのを見越して行動しているに違いないと語る。
とにかく奇人変人揃いで、元妻とか愛人とか、
普通、招ばれたって出向かないであろう人々が
平然と一堂に会してしまう設定が変(笑)
でも、芸術家・文化人なんて一般常識を超越した人々ですから、
そういうこともアリでしょうよ、というエクスキューズが付いているし、
現実にそんな世界の一員であった作者が
自虐的なトーンで滑らかに筆を走らせていた様を想像するのも楽しい。
岡目八目な名探偵、
蚊帳の外の存在である巨勢くん(綽名は「博士」だがファーストネームは?)が
イイ奴で、物語の毒々しさを和らげている。
……あれ、Wikipediaの映画版のページを見たら
役名もそんまんま「巨勢博士」になっているけど、
もしかしてフルネームは「こせ・ひろし」なの??(違うよね)
で、実はまだ映画を観ていないんですが、2012年にDVDが出ていたんですね。
これを買うか借りるか――うーむ。
- 感想投稿日 : 2013年12月17日
- 読了日 : 2013年12月17日
- 本棚登録日 : 2013年12月11日
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