マルゴォの杯 (角川文庫 緑 376-2)

著者 :
  • KADOKAWA (1979年4月1日発売)
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本棚登録 : 38
感想 : 3
3

久方ぶりの再々読。

赤江さんは好きな作家の一人だが、
それでいてストレートに「好き」とは言いかねる、
微妙な対象である。
実は、さほど耽美・幻想的な作風とは受け止めていず、
独特のモッサリした感じが妙味と思っている。
執筆時期によって差はあるにしても、
脚本家出身のせいか、
キャラクター(特に女性)のセリフ回しが
大仰になりがちだったというのが一つの特徴かと。
一人称で綴られた作品は
比較的スッキリしていて読みやすいが、
三人称複数視点の場合は、
何とも言えない「とっ散らかり」感がある。
それが個性であり、味わいなのだろうけれども。

今回読み返してみて、昔はあまり印象に残らなかった
「緋(あけ)の蘰(かずら)を額(ぬか)につけ」を
面白いと思った。
年を取っても変わらない面は多いが、小説の好みには
多少の変化が生じているのかもしれない(苦笑)。

「マルゴォの杯」
 幼少期から反りが合わず、
 互いに憎しみを抱いてきた姉妹。
 中年になって和解するかと思いきや……。

「千夜恋草」
 高校の修学旅行で訪れた京都での自由行動中、
 奇怪な目に遭った男の話。
 後に教師となった彼は
 京都訪問の度に手掛かりを掴もうとしたが……。

「緋の蘰を額につけ」
 考古学者の夫が
 盗掘品を持ち帰って秘匿していたらしい。
 夫はその後、発掘現場付近から転落死。
 妻は小学生の息子を連れて
 その場所を訪れたが……。

「刺青の海で夏」
 真昼の風物を夜の闇の中に幻視する青年と少年。
 その間に女が割って入ったとき……。

「春恨紀」
 高校生のときに変調を来たし、
 以後長らく病院暮らしを送って亡くなった男が
 残した手記。
 姉への複雑な想いと犯罪への奇妙な憧れ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  幻想文学
感想投稿日 : 2017年7月12日
読了日 : 2017年7月12日
本棚登録日 : 2014年4月7日

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