医学者・作家・翻訳家であった
小酒井不木(1890-1929)の主要作品集。
苗字の読み方が媒体によって「こさかい」だったり
「こざかい」だったりとバラついているが、
この本のカバー折り返しの作者紹介には
Kozakai Fuboku と表記されている。
内容は『新青年』他、
雑誌掲載短編と探偵小説を巡るエッセイ。
表題作は死亡直後の人間を蘇生させる「人工心臓」を製作し
実験する医師の話。
1920年代という、
モダニズム&エログロナンセンスの時代に、
血清学の権威が自ら病魔に脅かされつつ綴った、
宿命的に血の匂いを含んだ作品に、しばし陶然。
高解像度のイメージを浮かび上がらせる
冷ややかで端正な文体が耽美でエロティック。
それでいて黒いユーモアも忘れていないところが素敵。
ついでながら、
山田章博氏の装画も内容に相応しく麗しい。
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読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
怪奇・探偵小説
- 感想投稿日 : 2014年4月17日
- 読了日 : 2014年4月17日
- 本棚登録日 : 2014年4月17日
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