貧乏まんが (ちくま文庫)

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本棚登録 : 63
レビュー : 7
制作 : 山田英生 
深川夏眠さん  ■オムニバス   読み終わった 

「貧乏」という切り口で選ばれた短編マンガ集、
但し、シリーズ物の抜粋を含む。
既読作あり、初めて読む作品あり。

貧しさと結び付くキーワードが「逞しさ」だったり
「笑い」だったりするのは
先に希望が見えている(いた)からで、
そうではない救いのない物語は読んでいて辛い。

■つげ義春「リアリズムの宿」【既】
 奇異なタイトルは、旅情を無視するかのような、
 うらぶれた、生活臭芬々たる
 「リアルというにも程がある」宿の意。
 旅情を求める、作者の分身と思しい主人公の期待が
 裏切られるが、
 彼自身も才能に恵まれながら貧しかったはずで、
 目糞鼻糞を笑う感が否めない。

■つげ忠男「きなこ屋のばあさん」【初】
 つげ義春の弟で、代表作のタイトルはこれで……
 と、知っていたが今回初めて読んだ。
 きなこ菓子を商う小さい店のおばあさんとの
 短く浅い交流。

■水木しげる「貧乏神」【既】
 『水木しげるのニッポン幸福哀歌』で既読。
 ごはん代わりにポップコーンとな……(涙)。

■赤塚不二夫「トキワ荘物語」【既】
 『まんがトキワ荘物語』で既読。
 「ヒロポンだけはやめましょう」(爆)!!

■松本零士「大バーサンの歌悲し」【初】
 『男おいどん』中の一話。
 下宿屋の雨漏り。

■水野英子「ある雪の夜の物語」【初】
 この作品だけ本の向きを変えて読まねば。
 それはともかく、近年、
 これとまったく同じ構成(ストーリー展開)の
 CMがありましたね……と思ったら、
 元ネタはO.ヘンリー『賢者の贈り物』だった。

■辰巳ヨシヒロ「いのち売ります」【初】
 悲しき兄妹愛、切ない。

■永島慎二「赤貧」【初】
 貧しい青年画家に持ちかけられた企み、
 そして……。
 まあ、善人が幸福になるなら、
 それでいいじゃないか、と。

■楠勝平「おせん」【初】
 身分違いの恋……というか、
 世間知らずのお坊ちゃんに
 もっと広い心があれば、といったところ。

■池上遼一「スリップ」【初】
 自動車のスリップ事故を扱ったサスペンス。

■鈴木翁二「灯」【初】
 拾った鍵の正体が明らかになったとき、恋も成就。

■谷岡ヤスジ「アギャギャーマン」【初】
 非モテ恋愛哲学……違うか(笑)。

■いしいひさいち「バイトくん」【初】
 シリーズから抜粋。
 お金がなくても楽しそうな男子大学生たちの話なので
 悲壮感はなく、ライト。

■業田良家「自虐の詩」【既】
 シリーズから抜粋。
 だが、
 この作品の真髄は単純な貧乏エピソードにあらず。

■鈴木良雄「フルーツ宅配便~アサイー」【初】
 現代の相対的貧困(と、その連鎖)を
 ベースにしたストーリー。
 アッサリしているが、
 昭和の貧乏話のように笑って読むことが出来ない。

■うらたじゅん「ホットケーキ」【初】
 バイタリティ溢れるシングルマザーと可愛い娘の
 ほのぼのエピソード。
 娘の友人たちも素直なイイ子で、ホッとする。

■こうの史代「長い道」【初】
 あー……ゴメンナサイ何か苦手、なんでだろう??
 多分、清純そうなヒロインの
 内側から滲み出るエロさ、
 昭和のボキャブラリーで言うところの
 「むっつりスケベ」(え? 違う??)風味が
 イタい感じに映るから、かもなぁ。
 すいません、テーマとは関係ありませんでした。

レビュー投稿日
2018年5月20日
読了日
2018年5月20日
本棚登録日
2018年5月19日
7
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