M.R.ジェイムズ傑作集 (創元推理文庫 528-1)

  • 東京創元社 (1978年3月1日発売)
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感想 : 5
4

近代英国怪奇小説界における三巨匠の一人、
モンタギュー・ロード・ジェイムズ
(Montague Rhodes James;1862-1936)短編集。
ちなみに他の二人はブラックウッドとマッケン。
訳者・紀田順一郎の解説によれば、
作者自ら認める古風な作柄――というか、
要はゴシック趣味てんこ盛りなのだが、
簡潔な筆致を以て皮膚感覚をリアルに刺激し、
肉体的な恐怖を描出することを得意としたそうだ。

怪異に直面して恐れおののく人の姿が活写されるが、
恐怖の淵源に対する言及は
意外にアッサリしていて後を引かない。
そこを洒脱と受け止めるか物足りないと感じるかは
読み手次第、か。

吸血鬼系の話と聞いて期待していた「マグナス伯爵」【※】は
面白かったが想像とはかなり違って、
意外にラヴクラフトっぽいテイストだった。
いや、ラヴクラフト(1890-1937)の方が
後から生まれた人だけど。
で、少し検索してみたが、「マグナス伯爵」(1904年?)と
「クトゥルフの呼び声」(1926年)は
一本の線で繋がらなくもないらしい……って、
やっぱりそうなのか。

ほとんどの場合、
語り手はストーリー本体の外側に位置する狂言回しで、
事件への距離の取り方・姿勢が頗るクールで
「他人事」感が凄いのだが、
それが怪談をキリッと引き締めている気がして好ましい。

【※】「マグナス伯爵」
 文筆家ラクソール某がスウェーデンを旅して、
 旧家の系譜を調べるうちに発生した奇怪な出来事。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  英米語文学
感想投稿日 : 2014年4月12日
読了日 : 2014年4月12日
本棚登録日 : 2014年4月12日

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