ナジャ―小説のシュルレアリスム (白水Uブックス 78 小説のシュルレアリスム)

  • 白水社 (1989年5月1日発売)
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感想 : 11
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2011年11月13日、再々々読ぐらい(?)→記事編集。
アンドレ・ブルトンの自伝的小説で、
ナジャと名乗る風変わりな女性との交際について綴られたものだが、
一つ一つの出来事に
シュルレアリストとして特殊な意味づけを施しながら進行する。
が、そうした細部を取っ払えば――いや、それじゃダメなんだけど(笑)――
一種の不倫小説として読むことも可能。
姿を消した女生徒を捜索していると、
その少女は夜明け前、医療戸棚の中から頭を下にして床に崩れ落ちてくる
……という『気のふれた女たち』なる、
グラン=ギニョル風の芝居を上演する《雙面劇場》の条が印象的。
ちなみに、雙面劇場ことドゥー・マスク座は、モンマルトルにあった劇場で、
グラン=ギニョル劇場と類似の芝居を上演していたライバル的存在だったそうな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  フランス語文学
感想投稿日 : 2011年12月14日
読了日 : 2011年11月13日
本棚登録日 : 2012年5月7日

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