エラリー・クイーン、国名シリーズ第2弾。
原題「THE FRENCH POWDER MYSTERY」。
なるほど国名シリーズと言っておきながら、ストーリーとその国とはほとんど関係ないのね。
今回も登場人物の中にフランス出身とされる人物はいるものの、掛けられているのはそこではなく、原題のFRENCHはニューヨークは五番街でフレンチズ・デパートを経営するフレンチ家のこと。
フレンチズ・デパートのショーウィンドー内の実演中に突如転がり出た女性の死体。
女性の身元はオーナーのサイラスの妻、ウィニフレッドだった。
なぜこんなところに死体が?ショーウィンドー内が殺害現場なのか、それとも。。。
メタミステリ的な一つ俯瞰した視点から仰々しく語られる導入部分が好き。
『ローマ帽子の謎』の解決に思ったほどスッキリ感を得られなかった記憶があって、あまり乗り気になれない中での読み始めだったが、導入部でぐっと引き寄せられて自分にしては比較的短い時間で一気読み。
このシリーズにおいてはリチャード・クイーン警視と息子のエラリーがバディということになるのだろうけど、お互いが切磋琢磨する感じのバディかと思いきや(何しろ父は「警視」という警察組織の要職についてますからね)、リチャードは嗅ぎ煙草ばかりやってるだけで息子のエラリーに頼りっ切り。
もしかしてその密かなポンコツっぷりを楽しむもの!?
途中の手掛かりから論理を導く過程の一つ一つはふむふむなるほどな部分はあるのだけれど、全体像はちょっと納得感がないというかパズル要素に凝り過ぎたというか。
理屈としては整合はしているけれども、解の前に他の要素が急にほったらかし、強引な結びつけな感じが。
最後のページもねぇ。。。
※自分は自分の中でその本の評価が決まった段階くらいであとがきとか解説を読み始めてしまうのだが、その中に「解説ページの直前(最後のページ)をチラ見したりされませんように」とあるのだが、まさにもろに目に入ってしまったので「あぁ、、」となってしまった。まぁ、それはそれで別の読み方も出来ましたが。
次は『オランダ靴の謎』。
- 感想投稿日 : 2024年11月17日
- 読了日 : 2024年11月17日
- 本棚登録日 : 2024年11月17日
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