ノルウェイの森(下)

3.61
  • (392)
  • (376)
  • (785)
  • (87)
  • (28)
本棚登録 : 3568
レビュー : 337
著者 :
fukayasさん 雑食   読み終わった 

つくるくんの話題が賑やかなのに、初ハルキです。
この本が発行された当時、私は小学生で、ある日父が仕事帰りに上下2冊のこの本(金の帯:重版版)を買って帰って来た時のこと。明らかに、流行りモノを買っちゃってという揶揄を込めて「あら、こんな本買ってきたの?」と言った母に、父は話題の本だから読んでみたけど何がいいのかよくわからん、という返事をしていたのを鮮明に覚えています。

読了後、上巻の冒頭を読み返してしまいました。あれから、37歳になるまでワタナベ君はどんな生活をしてきたのだろうと。だってルフトハンザ機(JALとかじゃないところがいちいちオシャレ)でBGMに動揺してプルプルする37歳ってどうよと(えぇちょうど同世代なもので)。
物語の1969-70年頃の時代感が分からないせいで入り込めなかったというのが大きいのかもしれません(生まれてないのですみません;)。この作品が好きというかたは、音楽なり時代感なり年齢なりになんらかの共感を持てるからなんじゃないかな~。私も、大学生くらいで読んだらちょっと違ったかしら?
大学紛争華やかなりし頃は、都心から離れたわが母校の女子大にもバリケードが築かれ、近隣の男子学生が加勢しに来ていたとか、それに興味を持てなかったら「ノンポリ」と糾弾されたと、大先輩から聞いたことがあります。

帯に「これは恋愛小説です」というような言葉が書いてあって(これについてはwikiに記載があるのでご参照を)常に三角形の人間関係を軸に進んでいる感じが強かったぶん、ちょっと違和感。
「キスギ-直子-ワタナベ」「ナガサワ-ハツミ-ワタナベ」「直子-ワタナベ-レイコ」のほかにも「ワタナベ-特攻隊-寮のその他大勢」「ワタナベ-永沢-行きずりの女の子たち」とか、ほとんどが常に誰かの視線を意識している感じ。例外は「ミドリ-ワタナベ」「ミドリの父-ワタナベ」くらい?

どちらかというと、光源氏-ワタナベ-森中領(石田衣良の「娼年」ね)的な、これはひとつの様式美なんじゃないかなと。となると「紫の上-直子-リョウの母」で手に入らないがゆえに拘っちゃうし、反動でいろんな人と寝てみちゃう、という感じ?の、これもまた様式美のうちかもと。(めっさ思い付きですのであしからず)

前評判通りのオシャレな比喩にはニヤニヤしつつ、性描写の多さはどうでもよく(すんませんオバサンなもので)、予想どおりの入り込めなさでしたが、話の筋はともかく、すんなり読み進みやすい文章だったなぁ…としみじみ。あのオシャレな比喩を挟んで、それでも文章が読みやすく短くすっきりまとまっているというのは、やはりすごいんだろうな~。

レビュー投稿日
2013年6月6日
読了日
2013年6月5日
本棚登録日
2013年6月6日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『ノルウェイの森(下)』のレビューをもっとみる

『ノルウェイの森(下)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。
ツイートする