太陽の子 (新潮文庫)

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本棚登録 : 222
レビュー : 15
著者 :
深沢ハルさん  未設定  読み終わった 

最初に読んだのはいつになるだろう。小学生の頃だ。五年生にもなっていなかったかもしれない。家にあった、その頃にはカバーが外れかけていたと思う。意味もわからずに読んだ。ショックを受けた。詳しくは憶えていないが、たぶん冒頭の白い曼珠沙華のくだり(曼珠沙華という花のうつくしさ)や〈肝苦りさ〉という沖縄のことば、そして善良なひとたちの幸せそうな姿に安心していた時に突如もたらされた「結末」……といったところだろう。

それから読み返し、読み返しするうちにいつしかカバーは完全になくなった。けれど文庫本というのはこういうものだと私は思う。単行本ほどの華やかさといったものは持ち得ないが、何度も何度も読まれ、子どもがわけもわからずに読み、それでもおとなになって憶えていて再度読んで感動する。そして家に置いておき、その子どもがまた読む。そんな繰り返しが、私の「文庫本」に対するイメージなのだ。それはひとえにこの愛すべき灰谷作品から享受されたものなのである。

レビュー投稿日
2010年1月15日
読了日
2010年1月15日
本棚登録日
2010年1月15日
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