三浦しをんさんは以前から好きだったが、最近エッセーにハマってずっと読んでいる。
「本書はふだんよりも、よそゆき仕様の一冊である(自社比・本人談)!」とのことだが、たしかによそゆき仕様。
よそゆき仕様なのに、飾らないというか隠さないところがさすがだ。キャベツダイエットの顛末も、オヤジギャグも、外国人女性に洋式トイレを譲る際に「いえーす」しか出なかったという面白エピソードも、恥ずかしげもなく披露している。
この本で初めてしをんさんのエッセーに触れるひとは、「こんなにおもしろい、飾らないひとなのか」と思うかもしれない。でも私はほかのエッセーを読んだので、まだまだ序の口だと知っている。
この本を面白いなと思ったひとは、絶対にほかのエッセーを読むべきだ。倍以上にテンションが高く、めちゃくちゃ面白いので、覚悟して読んでほしい。
「なれるわけないだろ、ごるぁ!」「お友だちですら御免です」と、本書のあとがきでご本人はおっしゃっているけれど、私はお友だちになりたい。とてもとてもなりたい。(ただの一ファンが恐縮です)
もともとエッセーというジャンルが好きで、わりといろいろ読んできたほうだと思うが、やはり皆さんある程度、飾っていらっしゃる。それはそれで好きなのだが、しをんさんのエッセーはひと味もふた味も違う。
私自身、文章を書くときや、友だち以外のひとと接する際、猫を百匹ほどかぶる性分だ。だから友だちが少ないのかなと思うこともあるので、飾らないしをんさんの人柄に惹かれるのかもしれない。
でも、あらかじめ世間に自分のダメダメさをさらけ出しておけば、生きやすそうだな……と思ったりもした。
- 感想投稿日 : 2020年9月23日
- 読了日 : 2020年9月22日
- 本棚登録日 : 2020年9月23日
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