消えたタンカー (光文社文庫 に 1-7)

著者 :
  • 光文社 (1985年5月1日発売)
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感想 : 2
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北インド洋で燃えたタンカー・第一日本丸。原油は全て燃えたか沈んでしまい、32名の乗員は、無事脱出できたものの6名しか救出されなかった。その6名は帰国後会見に臨んだ。
ところが、6名のうち宮本船長が何者かに殺され、6名を皆殺しにする旨の脅迫状が見つかり、十津川警部補は亀井刑事と共に捜査を開始する。
宮本船長がブラジル移住を計画していたことや竹田船医の退職などの情報を入手するなか、佐藤一等航海士が殺されてしまい…
犯人が、誰を何のために狙っているのか。6名の残りを守ろうとする十津川と執拗に追いかける犯人との激戦を制したのはどちらか!?

最後にならないと真の目的が明かされない。それまでは我々読者も警察も、犯人の陽動作戦に翻弄され続けてしまう。最初から信じ続けたストーリーでは解明できない終結であったがために、十津川が納得したいがために動いてしまったから、事件を解決する方向に向かったのは犯人たちの誤算だったろう。航路の謎、タンカーの謎、時間トリック…すべてが解き明かされたとき、とても読者も気持ちいい!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(西村京太郎)
感想投稿日 : 2013年7月7日
読了日 : 2018年7月15日
本棚登録日 : 2013年7月7日

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